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第8回チャンピオンofチャンピオンバトル小説部門 Entry8

ミカから聞いた話


子供の頃、夏休みにおばあちゃんの家に遊びに行ったときのことなんだけど。
すごい田舎で、まわりは自然だらけで家ではアヒルとか飼ってる、そんなとこなんだけどね。
従兄弟とカエルを取りに行ったわけよ。
カエルって、カエルよ。あのケロケロ言うアレ。
私と従兄弟と、それから従兄弟の飼ってた柴犬の犬太郎。
漢字で犬太郎って書いてイヌタロウって読むの。ケンタロウじゃなくて。
イヌタロウって……ねえ。
とにかく、その二人と一匹でカエル取りに出掛けたの。
私は、あんまり、ホントは行きたくなかったんだけど。
ほら、もうそんな、泥だらけになって遊んでいられるような歳でもなかったし。
でも、田舎の子って、なんか、地元の自然に変なプライドって言うか、そういうのがあるでしょう?
要するに都会に対する劣等感の裏返しなんだけどさ。
だから私、気使っちゃって、まあ、付き合うことにしたのよ。
でもね、行ってみたら結構楽しかったのも事実。
カエルって、葉っぱの上とかにいると思ってない?
そうじゃないのよ。カエルって、なんかね、土の中とかにいるの。
知らなかったでしょ?
そこら中でケロケロ鳴いてるんだけど、全然姿は見えないのね。
でも、従兄弟が、土手っていうかそういう所をほじくると、ちゃんとそこにいるのよ、カエルが。
ペチャンって小さくなって寝てるの。寝込みを襲うのね。
鳴いてるんだからホントは寝てなんかいないんだろうけど、とにかく、じっとしてるのはホント。
でも、なんで居場所が分かるのかしら。
訊いたけど、逆に、なんで分からないのかって、訊き返されたわ。
まあ、別に、カエル捕まえられたからって、だからどうなのって。
そうでしょ?
で、途中でおやつ食べたりしながら、結局5匹くらい捕まえたんじゃないかしら。
で、さあ帰ろうかとなったときに、犬太郎がいないことに気付いたの。
二人で名前を呼んでみたりしたけど全然で、困ったなあって思ってたら、従兄弟が口笛を吹いたのよ。
ほら、指でワッカ作って吹くヤツ。
あれって凄い音がするでしょ?
そしたら、遠くの方で犬太郎が答える声がして、ちょっと待ってたら山の上からバシャバシャ降りてきて。
ああ、やれやれ、て思ったんだけど、口に何か銜えてるのね。
従兄弟はびっくりして犬太郎の方に走っていって、その銜えているものを取り上げたの。
それから持ってたコンビニの袋に入れて隠してしまったんだけど、私、ちゃんと見たわ。

あれは間違いなく人間の手だった。


※作者付記: で、牛肉は好き?


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