待子あかね
「一週間前もこの部屋だったわね」
そう彼女がつぶやいたけれど僕は何も覚えていなかった
大きなおふろ
大きなソファー
そして 大きなベット
彼女は早くと急かすけれど
そんなことより僕は電子レンジの前に待つ
ピーピーピー
電子音が鳴り響く
美味しい玉子焼きの香りが広がってくる
視線を感じていないわけじゃない
ただひたすらに お弁当を食べる
大画面では肌と肌とが映っているというのに
にっこりとほほえんで
「きみの玉子焼きは最高だね」
そういっても彼女は大画面しかみていなかった
毎日でもきみのお弁当が食べたいと告げても
水曜だけよと つれないばかり
ここは かくれが
ふたりぼっちの かくれが