ごんぱち
セックスとドラッグがロックンロールなら
ぼくはベーコンエッグを作ろう
ロックンロールがセックスとドラッグを含むとみんなが定義したのなら
ぼくはセックスを求めない
ドラッグに手を出さない
誰かが言った
その作家と同じ作品を書くには
その作家の作品は読まず
その作家が読んだ作品を読め
まあそれを言ったのはぼくなんだけど
ロックンロールが反逆の叫びであることがみんなの共通認識なら
ぼくは反逆を叫ばない
ただ穏やかに
大小の世界からの圧力に
形を変えられる事だけはない程度の
最小限の力をこめて立っていよう
ロックンロールが人間にしか歌えないとみんなが思うなら
ぼくは口を閉じてキーを叩き
マウスを走らせ
電子の歌姫に声を託そう
一日後にも残ることのない
浮薄な
商品にもならない
音を
紡いで行こう
ぼくのほかにはロックンロールとは誰も認めない歌を
耳にまとわりつかせながら
朝ごはんのベーコンエッグを作ろう
窓から差し込む朝陽が
立ち上る白い湯気と
卵の黄色を輝かせる
後はボウル一杯のサラダがあればいい