第10回乱取バトル詩人部門

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08   ラブレター
zippoh

三島由紀夫は年上の看護婦の笑うと漣が立つ眼に感じる

高見順は四つん這いになって押し入れを覗く和服の女に感じる

久世光彦は女のもう一つの口がしゃべるのだとそこに感じる

村上春樹は赤くなったさきっちょについて考察する

近所の小父さんは裸でエプロンした女の背に感じる

隣の家のお兄さんはつがって飛ぶシオカラトンボに感じる

僕はといえばまだ剥けていないから痛い

痛いけれど隣のきれいなお姉さんに感じる

お姉さんはときどき僕に手づくりのカレーライスをおごる

二人で食べる

辛いし痛いし

痛いし辛いし

きれいなお姉さんは察しがよい

辛いし痛いし浮遊する16歳

だれでもだいたいそんなものだよとワガハイハ猫デアル

それで僕はきがねなくロケットを打ち上げる

小父さんよりもお兄さんよりも高く高く高く

三島よりも高見よりも久世よりも村上よりも夏目よりも天空へ天空へ天空へ

上がれば落ちる地獄の季節にメランコリー

さて

きれいな隣のお姉さん聞いてください

僕はこれでも第一級の詩人です