第10回乱取バトル小説部門

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04   男の料理
太郎丸

「カレー位なら作れる」
 料理の出来る男の人って素敵と言われ、女の部屋で料理をする事になった。
 調味料は大体揃っていて、骨付き肉だけは冷蔵庫にあるというので、駅前のスーパーで人参とジャガイモと玉葱を仕入れ、辛口のカレールーを買った。
 使ってと言われた骨付き肉に塩こしょうとカレー粉をまぶし、強火でさっと炒める。
 肉汁を閉じ込めた塊りを赤ワインでフランベし、バターでゆっくりと飴色に炒めた玉葱の鍋に放り込む。
 ごろんと切った人参やじゃが芋も同じようにカレー粉をまぶし、肉汁の少し残ったフライパンで炒めて鍋に放り込み、たっぷり水を加えた。
 火を点けた鍋が沸騰する前に火を弱め、表面に浮かび始めたアクを丁寧に取り続ける。アクが尽きる頃、鍋の人参も箸が通る程の柔らかさになり火を止める。
 市販の辛口カレーのルーを鍋に入れ、隠し味にチョコを一欠けと生クリームを加え、ラー油にオイスタソースも入れる。弱火でルーを解かすと火を止める。
 鍋の味見をして、微笑みながら頷いた。
「出来た。少し馴染ませればバッチし」
 彼女は炊飯器に無洗米と水を適量注ぐと、スイッチを入れた。

「凄く嬉しい。ありがと」女は男の頬にキスをする。

 肉を焼く時のカレー粉とか最後のオイスターソースはちょっと驚いたけど、やっぱり男の料理ね。
 玉葱をあそこまで炒めるてくれるのは嬉しい。でも煮込む時は香草を入れて欲しいし、材料のバランスも考えてない。
 隠し味は定番だったけど、市販のルーの特性も考慮しなくちゃ隠し味が生きないわね。

 男の思考は停止し、頭には靄がかかる。
 じっとりと汗ばむ男の指の間に女の指がまとわりつく。
 女は男に寄りかかり、吐息を漏らす。
 男の頭の靄は一層深く濃くなっていった。
 絡み合う舌の奥で、ねっとりとした呻きが響いた。
 女は男を乳房に誘う。男の股間に手が伸びる。
 女は男の乳首を弄びながら、勃起した男を股間へと導く。
(合体)
 絶頂を迎えた男は、繋がったまま勃起を繰り返し、何度も何度も絶頂を迎えた。
 何度も…何度も…。

 風呂場で汗にまみれ、女は中華包丁を洗う。

 カレーの次がシチューっていうのはやっぱ芸がないから、焼肉かな。
 そうだ。今度ソーセージに挑戦して見よ。スモークも良いかも。
 毛を剃るのは面倒いけど、料理はやっぱ下ごしらえとひと手間だからね。
 あっ。野菜と洗剤買わなくちゃ。今日から安売りだ。

 やっぱ、レバニラにしょ。