第10回乱取バトル小説部門

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07   セックスと料理に関する小説と詩
石川順一

  「先ずは小説(セックスと料理に関する)」

 秋吉久美子と言う名前の人に私は何故かセックスの訓練を受ける事になって仕舞った。その経緯については聞かないで。充分知り尽くして居るのだが、阿呆らしくて話したくもない。
 んでその人は名前は秋吉久美子なんだけど、全然女優の秋吉久美子に似て居なくて、態度だけがたかびーで人を仕切りたくてしょうがない女だった。
 その女がラモーのクラブサン曲を大音量で掛けながら、セックスを仕切る仕切る。
 「ぼく君? ペニス今動かさないでムード高まって居るのに分っからないかなあ」
 「ぼく君? 今こそペニス激しく動かさないと眠っちゃうでしょ。分っからないかなあ」
 さっきから沸騰した湯沸かし器のふたがかたかた鳴って居る。
 女はストップウオッチ片目に
 「ハイヤー」
 と叫んだかと思うと仰向けの姿勢から手を後ろに回して、勢いを付けてベッドの下に足から着地した。
 「私がカップメン作ってるから、ぼくちゃんはパソコンの電源切っといてね。起動したままになって居るわ。電気代がもったいない」
 女は八の字走行でガスコンロまで行ったかと思うと
 「ゴンドウクジラがイワシを食べちゃった」
 とお経を唱える様に、死ぬ直前の病人に秘跡の油を病人のくちびるに塗ってあげるカトリックの司祭の様に荘重な調子で唱えた
 どうも食べ始める前にこう言わないとカップメンの神様のたたりに後で会うそうだ。
 私が女の作ったカップメンを食べようとすると
 「ぼくちゃん? 食べ始めの儀式をせずに食べ始めちゃって、恐ろしいったらありゃしない」
 と私の食べるのを制止した。
 そして女の指示でラジオ体操第一と第二をさせられ、第二で少しつまると
 「ぼくちゃん? あなた体育の授業さぼってたわね? 先生悲しいわ」
 と、いかにも私は体育の先生でした、見たいな事を言い始めた
 挙句の果てには「私なんか良い歯の子コンテストで小学生の時、六年間連続で表彰されたわよ」しきな自慢話をえんえんと三時間も聞かされた挙句、結局私が早漏だったと言う事で最初の3分間だけのセックスであった。
 後の四、五時間はえんえん、女の儀式と自慢話に付き合わされたのだった。
 儀式が済んで無い、と飯はお預けになるし、空腹で女の自慢話に付き合わされたが、何故か女の話にはセックスの様な魅力があるのに気付いてはっとした。