第11回詩人バトル全作品・結果一覧

#題名作者
1ポケットの中の地球ウナイ
2思い浮かべてみてくださいれんこん
3風砂rain
4冬のカフェオレ阿部瑞穂
5二人歩いてゆく高橋雄一郎
6ミジメ七威
7変転する世界haworu
8青い鳥ショウ
9恋愛・詩人佐伯維端
10溺愛させてくれる君へ深谷 章
11小さい光Dai
12闇夜の晩餐黍盛 器
13ただそれだけKaya
14あたしの字空条 遥
15心模様
16答え有機機械
17あをね
18えみりぃ
19メッセージワタル
20あなたの嘘COLDLIGHT
21いのちがあるがぎりLapis
22ウイルスの夜いとう
23道具箱無造作紳士
24歩いてゆく、こと陽太
25葛藤Йロ
26明日への勇気麻貴香音
27午後3時hanako
28あはは小松 知世
29サンタクロースエリーゼ
30ある朝 天気は曇り川井 津詠
315/31 左右田紗葵
32木葉一刀(コバカズト)
33空白と、君へすけあき
34蜜柑狭宮良 祇簾
35地獄絵図宮 秋
36(作者の要望により掲載終了しました)
37海の記憶トモモ
38やみのなかにいたあめのはなし茶封筒
39渋谷ララバイ。マッドビースト
40天使と悪魔と人三冬月 琢斗
41(作者の要望により掲載終了しました)
42おみやげ遠藤妙子
43光の中に立つ者へ胡乱
44花かんむり葉月みかQ
45二列の詩羽田恭
46氷月そら
47ここで小日向あぐり
48首なし男谷本みゆき
49君に忘れられたくないから林檎
50ある冬休みの日白倉 美穂
512002asami n
52賀正謹賀新年あけましておめでとうございますA Happy NewYear春九千
53河原にて空人
54レ・ミゼラブルぶるぶる☆どっぐちゃん

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Entry1

ポケットの中の地球

僕の笑い顔は作りモノ
キラわれたくないの みんなに
誰からもいい奴だと思われたいの
楽しくなくてもニコニコ

僕を包むものはこの部屋
窓の外は太い道路
辿っていけば大きな地図
海に囲まれた僕の島
真っ暗な宇宙の中の 僕のいる星
きっと誰かのポケットの中

こんなにちっぽけな僕
何 悩んでんだろ
何 考えてんだよ
何 死にたくなってんだよ

そこに眠る子猫のように
まるくなった僕はセロファンの風船の中
まだまだ 何も知らない
土の中の幼虫
ベッドに もぐって 遠い朝を待ってる
暖かい春風が吹いて
ウソじゃなくて
ホントの僕が笑っていられる時を待ってる

正直 怖いよ
ねえ その“愛してる”はホント?
セロファンの中の僕は
全てを信じてしまいそうで
キミを抱きしめて眠った朝に
キミさえも“愛してる”ごと消えてしまいそうで

猫の言葉を勉強して
僕は猫になった夢を見た
自分勝手にあくびしてねた
まっ黒いハエが耳元をかすめた
廃品置場でみんなと走りまわってた
目がさめると人間だった
セロファンは少し消えそうだよ

キミが好きだよ
なんだかとても大事な気がする
このごろそんな気がする
だから 重くないかな
キミにバレると 重すぎて
投げ出されると困るから
また僕は違う僕を作って
キミに冷たく笑う

キミが僕をどうでもよく思う時は
いつ来るんだろう
僕の両手はキミの手を探して
油の湖の中でさまよう
大切に思う度 キミが遠く感じる

僕はみんなにキラわれるのはイヤだけど
キミにそう思われるのはもっとイヤ
なんだか なんだか
うまく回らない 全てが

キミがサヨナラといったらどうしたらいい
考えたこともない
セロファンを破って 追いかけようか

スタンドの灯りもまぶしくて
まだまだ空気は冷たく感じる
ちっぽけな僕は キミがとても大切
小さな 小さな
ポケットの中の 地球の上に眠ってる僕


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Entry2

思い浮かべてみてください

音もなく、

人もなく、

このビニル傘にあたる

ばつん。

ばつん。

という音だけが、

ただ

ただ、

耳に心地よいのです


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Entry3

風砂


      砂時計の秒針は
       
      同じ速度と質量で
       
      二人の間を流れ落ちた

      なのに

  (貴方は笑顔を美しくし 私は怒りに醜くなった)

       溢れ出す貴方に
 
       世界が振り向かないように
 
       全てを私という底辺へ

       注いでください
       
       小さな硝子の内でこそ
 
       砂は輝いていられるのです   



                 星時計の影は

            同じだけの年月をかけて
     
            二人の周囲を廻ったのに

 (あなたは寛容と慈悲を深め 私は不寛容な嫉妬ばかり覚えた)

               振り向いた拍子に

          世界を見つけたりしないよう

                影の中心に立つ

           私だけを見ていてください

           どれほどの星が呼ぼうとも
 

               ( 私だけを )

               わたくしだけ、を


        閉じられた世界でこそ星は美しく輝くのです


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Entry4

冬のカフェオレ

牛乳あっためて
砂糖を山盛り3杯いれて
粉をとかしてカフェオレつくって
お揃いみたいなマグカップに入れた
飲んだら急に、外が暗くなった気がした
チャイムが鳴る
夕方でも夜みたいに暗い
ねえ
そういえばこんな時間、あなたと二人
あまり外を歩かなかったね
覚えてるのはどこか明るいお店の中で
思考が飛ぶ
そう、例えば何か渡したいものを買って
おみやげ持って
蒲団の中にいるあなたに会いたかった
私はコートを脱いで
手を洗って
冷たい手をあっためてから
蒲団にもぐりこむんだった。ただいま


ただいま


扉を開ける
青暗い部屋の中、電気をつける
私は牛乳あっためて
カフェオレつくって
胃の中に流し込んだ
砂糖は山盛り3杯、あまったるい
一人だよ、ひとり。
ふたりでいると、冷たい手がどんどん早くあったまっていって
おなかのあたりとか
もっと熱くなって、キスをするの
カフェオレよりも熱い、甘い
そんな幸せな過去を、空想を、いそいではじめてあったかくなる
一人で蒲団に入る。寒い
けれど朝起きるころにはもう、同じように温かくなっているのだから
ただ過程が違うだけで
本当なんだ

泣きたくなって
記憶の中で
甘いカフェオレ飲み干した


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Entry5

二人歩いてゆく

もう迷わない
信じ続けること
雨が吹きあふれても
強く 強く
僕が守ってあげるから
一人にならないで
哀しくならないで
空を見上げてごらん
雲より高く
太陽より明るく
ちっぽけな僕たち
さぁ動き出そう

街の中 風の中
人は通りすぎるけど
自分を見失わないように
ゆっくり ゆっくり
僕と歩いて行こうよ
淋しくならないで
時は切なく過ぎていく
風を感じてごらん
水より透明な
水晶より綺麗な
ちっぽけな僕たち
さぁ動き出そう


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Entry6

ミジメ

人間に泣くと笑うことしかできなかったら

そんなことしかできない自分たちを笑い
泣き崩れるだろう


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Entry7

変転する世界

言葉をたくさん紡いでも何も出来なかった

心が動かなくて全てを捨てたかった

あの時、勇気がなくて会えなかった

孤独と共に存在している実感だけで

大切なものをなくした夕方があった

取り戻せない記憶があった

行方のわからない言葉があった

意味のない記号もリビング・デッドも

すべてを変転するこの世界に広げたかった


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Entry8

青い鳥

    「青い鳥」

翼をとられてしまった青い鳥は
あるときどこかの渡り鳥に言われました
空をとぶことができなくなった鳥は
もう鳥ではないと…

青い鳥はまた青空に、
この力強い風を受けてここから飛び立ちたい
遠くの…向こうの…向こうの島へ…また、もう一度…
僕はいきたい、…そう思っていました。

しかし、翼を取られた青い鳥は
いつしか翼のない自分に嫌気がさしていました
二度と空を飛ぶことができなくなってしまった自分に…

風を感じてこの青い…雄大な空へ…
いつかのあのきれいな風景を見に…
ある時、青い鳥は涙をながしながら昔の夢をみていました。

ある日太陽は言いました
風を受けることができなくとも
きれいな風景をもう二度と見ることができなくとも、
お前はまだ歌を歌えると…
そう、風の歌や空の歌、そして海の歌を…

そうして翼をとられた青い鳥は
歌をうたいました

なきながら、天にむかって…
大声で、力強く歌いました…
せいいっぱい…
せいいっぱい…

すると、いつしか涙も止まり
荒れ狂うような雨や風もやさしく止まり
雲間からは光が差し込みました。

いつのまにか青い鳥は歌っている自分が好きになっていました。
歌いながらだれかに幸せを与えられる…
そんな自分が大好きになっていました。

歌声を風にのせ…

遠くの空を見つめて…

風を…歌を…空を…そして、自分を感じて…いつまでも…


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Entry9

恋愛・詩人

あなたにあてて
詩を書きたいのだけど
何を書いたらいいものやら
さっぱり頭が回らないのよ
椎名林檎は「幸福論」
ジョン・レノンは「ALL YOU NEED IS LOVE」
リルケは「ソネット」
GLAYは「誘惑」
俵万智は「サラダ記念日」
それに
紫式部の「源氏物語」
みんなよくも考えるわ
何でそんなに上手いのかしら?
面倒くさくなっちゃって
「この味が いいねと君が 言ったから
  いずれの御時にか
    オール ユー ニード イズ ラヴ」
これだけパクれば
少しは気持ちも伝わるのかしら?

あなたにあてる言葉なんて
実は一つも持っていなくて
夜更かしして本を読んで
ヘッドホンでCD聞いて
「そうこれなのよね」って呟いて
机の上は紙屑だらけ

読んだあなたは笑い出したわ
「笑うことないじゃない」
でも本当は笑って欲しかったり。
そう、もうどうでもいいのよ
詩だとか言葉だとか
感情とか気持ちとか
だって
あなたが
笑ってるのよ?
今 言わなくていつ言うの?
詩だとか言葉だとか
感情とか気持ちとか
そんなものはもう止めにして
言わなくちゃ
今 アタマの悪い私の中の
たった一つの自分の言葉
平凡陳腐ありきたり
ひねりのカケラもないあのセリフ
たった一つの自分の言葉で

「実は好きです」って。


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Entry10

溺愛させてくれる君へ



あのバンドのヴォーカルのように

“君が泣くなら僕も泣く”
“君が死ぬなら僕も死ぬ”

なんて言いたくないし 言えないけど

 君が笑うなら僕も笑う


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Entry11

小さい光

深い 深い 海の底で

ある光を見つけました

命という名の光を


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Entry12

闇夜の晩餐

あたりはまっくらくらくらくらのくら
赤いランプに灯がついて
はしら時計が脈を打つ
ちくたくちくたくぼーんぼん
ちくたくちくたくぼーんぼん

闇夜の合図に気づいたは
青いおめめのお人形
手に手を取って踊りだす
すたすたとことこくるくるり
すたすたとことこくるくるり

それを見ていた道化師が
赤い鼻づらつきあわせ
われもわれもと踊りだす
ばたばたどんどんくるくるり
ばたばたどんどんくるくるり

さあさあ闇夜の始まりだ
晩餐会の始まりだ
ちょうしっぱずれの演奏に
豪華といえないオードブル
愉快で陽気なリズムにつられ
ナイフもフォークも踊りだす
とことこどんどんくるくるり
ばたばたすたすたぼーんぼん
とことこどんどんくるくるり
ばたばたすたた ぼーんぼん


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Entry13

ただそれだけ

何の目的もなく
カメラ1つもって
この青空の中を
2人で飛びたい。
ただそれだけ。
本当に
ただそれだけなんだ。


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Entry14

あたしの字


ノートの
上の線と、下の線の
間に、字を書こう。

強く、強く、強く。

はみ出したって、大きさが揃わなくたって
力強く、書くのです。

いつか、お母さんが言っていた
『字は、性格を表すのよ。だから、小さい字じゃなくて、大きく書きなさい』って
その言葉だけを思い出しながら。

途中で、シャーペンのシンが ポキッ って折れても

強く強く強く書いた。

だって、負けばっかりの人生だからさ。
せめて字だけは、大きく立派にしておきたい。

だって、落ち込んで、下を向いてばかりだからさ。
せめて字だけは、元気に幸せにしておきたい。


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Entry15

心模様

私は泣いた
空が青くて澄んでいたから

空の鳥よ
空を映して泣けば
心が晴れる日が来るだろうか

帰ってこない答えに飛行機雲が交差して―


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Entry16

答え

僕は正しいのか、間違っているのか。
僕は強いのか、弱いのか。
僕は美しいのか、醜いのか。
僕は善い人間か、悪い人間か。
僕は生きているのか、生きていないのか。
何度も問いかけてもその答えは出ない。
たぶんその間を行ったり来たりしているだけのつまらない存在なのだろう。
いや僕は認めたくないだけなのかもしれない。
自信がないだけなのかもしれない。
だから僕は僕を慕ってくれる人達の中で安心している。
その人達を愛することが僕の人生の意味だと自分に言い聞かせる。
みんなそれを幸せと呼ぶことも知っている。
でも僕は気付いている。
僕は絶対的なものになりたいんだ。
完全なものになりたいんだ。
全てになりたいんだ。
そのための答えを知らない僕は今日も安心するために誰かを愛する。


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Entry17

 なぜだろう 「自分が生きていない」 そんな心地がする
 
 もう何もかもいらない 捨ててしまいたい そう思ったから?

 でも 君は言った

 「そんなこと言わないで」

 その声はなぜか とても悲しそうだった

 なぜ君は 私を見捨てないでいてくれるの 

 いつも私なんかを見ていてくれるの?・・・

 そういう私に 君は言った

 「あなたが私に、してくれたことだから」

 君は私に 光をくれた 


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Entry18

私は猫になりたい

彼の猫になりたいの

だって猫は本能のままにしか生きないから

魚を食べること

暖かい膝の上で眠ること

すりよって「にゃあ」と鳴くこと

猫は全てが本能なの

私はいつも素直になれない

だから本能のままに生きる猫になりたいの

遠回りしたり

下手な駆け引きなんかしないで

本能のままに彼を真直ぐ愛せる猫に

そしたら彼は今よりずっと私のことを愛してくれる

したいときにキスをして

温もりが欲しかったら彼の胸に飛び込んで行って抱いてもらうの

大きなビー玉のような目で彼だけを見つめて

気に入らないことがあればスグ爪をたてちゃう

治すことなんてできないのよ

だってこれは本能だもの


猫になれば今よりずっと可愛くなるわ

素直になるわ

だからお願い

どうか私を捨てないでね


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Entry19

メッセージ

甘い言葉を聞くたび 君の事を思い出す
誰かの優しさに触れるたび 君の温もりを思い出す
君への想いは 途切れる事は無い
君にとって僕は 大切な存在?
それとも・・・・


僕にとって君の存在は 空に昇る星の様
でも 星は消えてしまった
今はもう 欠けてしまった僕の心
何も要らないと言えば良かった
言葉にすれば 君に届いたのだろう
募る思いは 消える事は無い


言葉にすれば お互いを信じられたのに
君の心も 欠けたままだったのだろうか
それを知れば 君の所へ行けるのだろうか
昇る事の無い星は 何処に在るのだろうか
もうすぐ 君のもとへ逝く
君への罪と僕への罰は もう終わる


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Entry20

あなたの嘘

だれもが嘘をついて生きている
自分に!


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Entry21

いのちがあるがぎり

 あいしてください
 たとえ 法の裁きがいのちの選択を受け入れても
 あいしてください
 世界中の誰もがいのちの選択を受け入れても
 あいしてください
 たとえ 重度の障害を持っていても
 あいしてください
 母親は たったひとり …あなただけ
 あいしてください 
 だから 産まれて欲しくなかったのよ …なんて言わないで
 あいしてください
 全てを 包み込んで 
 あいしてください
 抱き起こすように
 あいしてください 
 産まれた子供には罪がないから
 あいしてください
 もし これが他人の押しつけと感じても
 あいしてください 
 そこにいのちがある限り


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Entry22

ウイルスの夜




 隣りでは君の咳が止まらずに
 ウイルスが部屋中に降り積もって
 負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
 お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
 そんなこと
 どうでもいいよね
 お互いダウンしちゃって
 二人仲良く手をつないで
 ベッドの中で
 青息吐息

 二人とも重症でね
 高熱にやられちゃって
 「おやすみなさい」なんて言ったら
 別の意味に受け取られそうな
 そんな切羽詰った状況なのに
 でもそういうのがなんか嬉しかったり
 でもそういうのがすごく幸せだったり
 ヘンだよね
 いや、ヘンじゃないか

 部屋の中にはウイルスだけじゃなく
 見えないくせに
 きちんと名前のつけられた
 不安とか
 ためらいとか
 たとえばそんなものも一緒に
 たとえばいつまで幸せでいられるのか
 たとえばこのまま二人でやっていけるのか
 あるいは
 たとえば
 もしかしたら

 夜だからあたりまえなんだけど真っ暗でね
 お互いの顔も見えずに
 話す気力もなくて
 手の温もりだけを感じながら
 (温もりだなんておしとやかな熱さじゃないけど)
 いろんなものが降り積もって
 知らないあいだに降り積もって
 それでも二人は
 ゆっくりと
 朝を待ってるんだろうね
 時計の音なんか
 聞いてるんだろうね  


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Entry23

道具箱


僕の道具箱にはいろいろとつまっているよ


始めて買ったCD
マクドナルドのおまけ
つまらない映画のパンフレット
スターバックスのレシート
井の頭公園で拾った落ち葉
そして
新品のデジカメ








某有名女子高の制服



夢が詰まってるね


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Entry24

歩いてゆく、こと

    泣いたり 笑ったりして 歩いてゆくあいだに
    絶対に触れなければならない もの

    泣いたり 笑ったりして いつか辿り着く見知らぬ地で
    それでもなお 触れた事のない もの

    多分、全てを数えあげるには
    全人類両手両足指 何もかも足しても
    まだ 足りない 足りない


    強く映った あの黒い瞳
    僕の 僅か数歩前を 踏みしめる様に歩く あの人
    二人が向かう道 ひとつづきではない けれど

    嘆くことはない

    歩みをとめる場は同じ
    例え 今は その瞬間を夢に見ることすらなくても

    二人が向かう道 どちらも同じ
    ひとつづきの 運命
    歩いてもいい 走ってもいい 転がってもいい

    けれども 立ち止まっては いけない と

    その虚しさ 哀しさ
    それから ほんの少しの安心感、

    
    それらを抱えて、
    泣いたり 笑ったりしながら


    僕等は 未だ見えない終着点へ 歩いてゆく


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Entry25

葛藤

一人でいるのもわるくない
皆といるのもわるくない
思ったよりも寂しがり屋で思ったよりも強いです
皆の詩と自分は違う
皆の心はただじゃない
僕の心はただであり皆にとってはただじゃない
心の歌は理解できない
言葉はそんなに器用じゃない
僕の心にピンとくるそんなちょっとの偶然と思い違いの塊だ
皆の空気は悪くない
いつでも心に春がいる
僕の心に春がいて
ただそれだけが苦しめる
僕の涙の源は愛がひとつの悲しみで
僕の憂鬱の源は春がまとまらない夜なんだ
お金と涙と女の子
勇気と正義と嫉妬
自分と皆と心
皆同じようで皆違う
分かっているようで分からない
愛と恋と欲望
皆同じ
皆違う
一人は皆
皆は一人
大きな皆と小さな自分
大きな自分と小さな皆
まだ来ない春と過ぎ去った愛
さようならの詩は喜びに満ちていた


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Entry26

明日への勇気

悲しみのベッドで溢れる涙を流しても
それは小さな傷として体の奥深く残ってしまう

だから泣くなら貴方のために...

いつもいつもしゃんとして眼をみはって
貴方は何もかも押し殺してしまう
だから変わりに泣きます きっと辛いから
強いフリしている貴方だから...
力になりたいんです

我慢しているもの
離れたくないのに きっとそうなのに
何もいわないんだもの
いつものようにして 優しく笑って...黙っているの

我が儘の1つでも言ってくれれば
こんなに苦しくはならないのに....

いつも笑っていられるように 代わりに泣きます
だから貴方は明日のために 強い勇気を
手に入れて下さい


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Entry27

午後3時

おばあちゃんと午後3時
一緒に時代劇をみた。

おばあちゃんに午後3時
ちぎり絵を習った。

おばあちゃんと午後3時
お墓参りに行った。

おばあちゃんが午後3時
古いアルバムをみせてくれた。
若い男の人の写真があった。

いい男でしょうが。
誰?
おじいさんだよ。

おばあちゃんは午後3時
たくさんの歌を詠んだ。

たくさんの歌はその後
家族の手によって製本されて
「愛の歌」と題された。

おじいちゃんが死んでから
おばあちゃんが歌った
おじいちゃんとのたくさんの思い出。

おばあちゃんのいない午後3時
「愛の歌」を読んだ。
おばあちゃんのあの懐かしい笑みを思いながら。


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Entry28

あはは

人生なんて

あはは

笑い飛ばして

あはは

辛い事も苦しい事も

あはは

笑い飛ばして

あはは

笑っていればきっと

あはは

良い事もあるさって

あはは

笑い飛ばして

あはは

でもまだ

あはは

そんな経験はないけどね

あはは・・・・・・はは・・・


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Entry29

サンタクロース

彼は彼女のために毎年最高のプレゼントをあげた。
彼女も彼のために毎年最高のプレゼントをあげた。

彼女にとって彼はサンタクロースのような存在だった。
クリスマスじゃなくても・・・。

毎日が楽しかった。
「ほほえみ」や「うれしさ」いろんな物を彼女にあげた。

なにより「すき」という言葉が最高のプレゼントだった。

けど・・・。

彼女の瞳に映るのはもう別なサンタクロース。


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Entry30

ある朝 天気は曇り

ある朝 天気は曇り
僕は もうここにはいられないって気づく
もう 時間だ。
僕は チェックアウトをする時期だ。
いつの間にか こんなに時間がたっていたんだ。
僕は 荷物をかき集め 立ち上がった。
皆は 不安げに僕を見上げる。
そんなことをしてもいいとおもってるの?
調和を乱され 少しざわつく部屋
僕は 出口を目指し ゆっくりと部屋を横切る。
遠ざかる 中傷を背に
僕の イメージは いつになく美しく
そして 頼りなげだ。
僕は 扉を閉める前に
忘れないように もう一度 ゆっくりと
今いた場所を 見渡した。
そこにいる 一人一人を。
それは とても長い一瞬で
息を吐きながら 僕は 目を閉じ
扉を閉めた。


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Entry31

5/31

現在を映し続ける機械の電源を落とした真夜中
鏡に映るのは細かな単位で変わる顔を持つ生物
次に起ることが怖くて見届けずにそこを離れる

スーパーマーケットの一角にある場所鮮魚市場
純白の軽いトレイに横たわる罪のない魚の死体
ぴっちりと透明なフィルムで覆われた魚の死体
私は大きな目玉を持つ魚の水晶体が欲しくなる

きもち悪い、そんなもの見ないで、ほらほら。
母さんが呼ぶそして強く私の服の袖を引っ張る
私は鏡の中の生き物より魚の半透明の目が好き

もし水晶体をじょうずにほじくりだせたならね
漂白剤につけたあと、よく洗って大事にするわ


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Entry32

きこえるかい?

秋の昼部
木枯らしに吹かれ丸裸寸前の落葉樹たちが揺れ
ザワザワという音を立てる中から
舞っている枯葉たちが宙で擦れ合う音が

真冬の深夜
降り積もる雪が宙で触れ合い
シャンシャンという音立てているの中から
雪が地で凍ってゆく瞬間の音が

きけるかい?

真夏の雨上がり
スペクトルをすべてぶつけてくる陽光に照らされ
湿った大地がジクジクとその身を乾かす音の中から
巻き起こされる風の息吹が

春の朝
林の木々が大きく息を吸い込む
シンシンとした空気の中から
土をかき分け芽吹く草々の息吹が

文化と云う、言葉と云う境があっても
耳に届く音は皆すべて同じ
五感は共通した文化
音は共通した言葉
ならば風景から生まれる音よ
野生へ憧れるすべての人の元へ

きこえるかい?


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Entry33

空白と、君へ

冷たい雨の打ちつける朝の通勤電車の混雑にゆられながら
曇った窓の向こう側に
きのうの夜のささやかなぬくもりを見いだそうとして
もがいている
君に。

ほんとうに大事な大事な思い出だと今まで信じてきた
大切な証拠である十八歳の誕生日の記念写真を
野良猫のように四つん這いになって
ゴミ箱まであさったのに
どうしても見つけだせずに
それでも涙一つ流せないでいる
君に。

携帯電話にメモリーした番号がなにかの拍子に消えてしまって
何百人もの友人をすっかり失って
困ったよまったくと
そばにいるほんとうの名前を知らない友人に笑って
実のところまったく困りはしないし
晴れ晴れとした気分になって
メモリーした番号にぼくの番号が含まれていたことになんか
気づきもしない
君に。

ぼくはなにを語れるのだろう?
いったいなにを語ればよいのだろう?

君とぼくのあいだにある空白に
つぎつぎとぼくの無意味な言葉は吸い込まれてゆく
ぼくはこれでも人生を削りながら言葉を紡いでいるというのに……

絶望。
絶望という虚空。
虚空という空白。
空白に横たわる悲しみ。

こんにちは
はじめまして
聞こえますか?
聞こえていますか?

生と死のあいだにある空白に
人々は救いをもとめてすべてをなげだしてゆく
ぼくはそれでも君のことを必要としているのに

ほんのすこしだけ踏み出せば
とどきそうな
君に。
無表情な笑みを浮かべていつも静かに座っている
君に。
皮膚の裏側にはきっと碧い碧い塩水と眩い電流が流れているだろう
君に。

ぼくは語らずにはいられない
無意味な言葉の羅列に意味はないんだ
わかってほしい

こんにちは
はじめまして
聞こえますか?
ええ、聞こえてますよ

ありがとう

ほんとうに
ありがとう


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Entry34

蜜柑

何もかも
私の知ったものが絶えて
新しい世界には
最初に蜜柑を植えよう
小さな蜜柑の苗を植えよう


瓦礫とその灰と
生命とその痕と
歯は白く髪は黒く
とめどなく消えてゆく煙

雨に割れた爪を
晴に切れた耳を
ひとりきりの正午
てのひらにただ一粒の水

逃げる言葉を手繰り寄せて
灼ける喉を緩りと裂いて
其処に呼ぶ筈の人々は居なくて

夢を視て目醒めれば
驚く程 青く広い 空


暖かな炬燵のなかで
私の眼の前にはひと山の蜜柑があって
世界の何処かでは人が死んでいるのだ。


何もかも
私の知ったものが去って
新しい世界には
小指ほどの太さの小さな蜜柑
やさしい緑の葉をした蜜柑があるといい

私の骨のうえにも
やさしい匂いを広げる蜜柑が咲くといい


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Entry35

地獄絵図

銃声に倒れる罪無き女・子供
兵士の眼前に広がる死の平野
正義を口にする天国の将軍
茶の間でせんべいを食べる私


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Entry37

海の記憶

渚に犯される前に
ほんの少し君の声
つぶさに聞かせてみせてよ
潮の音に掻き消されても

僕達のしてきたことはみんな
海の泡になって消えていくのかな
風の生臭い匂い
頬に触れる髪
硝煙の香り
人魚の肉
早すぎる腐敗臭
もはや泥遊び

永久の命は永久の海に掻き消され
ぷかぷかと緩やかに浮かび続ける
月明かりの海には海月となって
月の海に寄せては返す祈りを奉げ
満天の星空のあのちっぽけな星の様に
価値なくばらばらになってゆく
藻屑を喰らい
藻屑になって
海へと溶け込むファンタジア
海に価値奪われてゆくギリシアの悲劇
あと少しで運命に手がかかるのに
いつかこの海全部に行き渡る嘆きの香水
寄せては返す君の声
愛してるって囁いた?
木魂する僕達の波


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Entry38

やみのなかにいたあめのはなし

 肩に感じられないほどの雨がゆっくりと降る日
 だんだんと迫り来る夜がよけいに雨を見えにくくして
 降っていないみたいだった
 音がする以外は
 暗い暗いやみよのなかで
 聞こえる音に耳を澄まし
 ひとりでいたあめのよるに
 ぽつんとなにもかんがえるのを
 放棄しながらすわりこんでいた
 目だけがじっと前をにらんでた
 心臓だけが
 放棄された記憶をあいしていた
 雨と重なって鳴り続ける音の中で
 きっときみはいきつづける 
 
 やみのなかのあめのはなし


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Entry39

渋谷ララバイ。


 悲しみの嗚咽が 
 雑踏に隠れながら流れ出してくる
 泣き声を誤魔化すような ため息に混ぜて
 耳を澄ますと聞こえてしまいそうでこわいから
 誰も気づかない振りをしている 西口。
 
 孤独に怯えた人達が
 見知らぬ者同士で暖めあうようにうずくまるベンチで
 体を寄り添わせながらもお互いを見ようとしない
 携帯電話に救いを求めながら 
 皆が必死に救難信号を打ち込んでいるようで悲しい ハチ公前。

 俯いた人間の群れが 灰色の背広達
 コートの襟を立てて何も見ないように足早に去っていく
 風も空気も音も視線も全て遮るための壁のコートに包まれて歩く 道玄坂。
  
 同じ亜麻色に染められた髪 白くファンデーションを塗った肌は
 血の気が失てしまったようで 冷たい風に乾き続けていた
 陶人形の様に美しい少女達の目はどこか空虚で、くすんだ色をしていて
 寂しさを癒してくれる相手を待つ様に座っていた 文化通り。
 
 性を売ろうとするチャイナドレスの女の笑顔 
 路上に座り込み “反逆” の色の少年
 泥酔し 道端に吐しゃ物をうち撒けるおとこ
 煌びやかさかの端からはみ出した 
 咽返る 欲 の色に吐き出しそうだった センター街。


 悪や罪を塗り込めてしまおうとする闇が迫る 夕方5時
 109のネオンは全てに許しを与えようと明るさを増して
 それでも ひとの作り出した光は仄かに遠くにあるだけなのに
 彼等はじいっと見入って免罪を求めている。
 
 もうすぐ雪が降る ネオンと 彼等と 全ての罪を清める冬の色が
 この街と この街に集まる人たちが白に染まり 
 また新しい日々を無垢なまま始まりたいと願う。
 その眠りにつく。
 そうなればいいと 僕も思い
 乗り込んだ車両の窓越しに ガラスを透き通るように
 微かな声で
 その夢を見たがる街に、『おやすみ』と呟いた。
 僕の微かな声が ガラスの向こう
 冷たさを増した 夕方の空気に溶けていったように見えたとき 
 僕を乗せた電車は ゆっくりと、渋谷を離れていった。


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Entry40

天使と悪魔と人

天使は甘く優しい夢をみる

身も心もとろけるような夢をみる

悪魔は辛く厳しい現実(いま)をみる

身も心も砕けてしまいそうな現実(いま)をみる

人は狭間の夢を追う

辛い現実(いま)を忘れようと甘い夢を追う

これまでも

これからも


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Entry42

おみやげ

「手袋わすれちゃった」
机の上に置いた手袋・・・
大きくて華奢で 君の心のように温かいその手  
「寒いだろっ」 
また、ギュッてしてほしくて 手袋をはずしたこの手
「つなごう」
って只それだけでも言いたくないの ・・・変な賭け 
ふざけたこと言うのもしょっちゅうで 遠慮なしの間柄 たまに顔だす女心
息の曇る町を 旅したこの手が鈍く開く 流れる人波の中 さっとひかれた右手
心待ちにしていたその手の中は 覚えのある 私だけの君の左手
「つっっめてぇ〜」
って困った笑顔 
冬季限定なんです


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Entry43

光の中に立つ者へ

あなた達は何も知らない 残される者のつらさを

あなた達は分からない 残される者の痛みを

私は闇の中にいる 暗くて悲しい闇の中に

あなた達はいい 光の中に立っているから

あなた達が笑う度に 私の闇は暗くなる
あなた達が歌う度に 私の闇が深くなる

気づいて欲しい 残された者の悲しみを

光に立っている者よ

己の光の強さが、闇の中に立つ者の痛みを深くするということに

気づいて欲しい

光の中に立つ者よ 光の中で笑う者よ


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Entry44

花かんむり

たとえ冬でも
春より華やかに
踊ってみせましょう

ただの一度も
傷ついたことなどないかのように


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Entry45

二列の詩

なぜ不幸になる
              すまない
何もしてないはずだ
             俺は詩人だ
もし一歩足を踏み出せば            
             詩人なんだ
声を出せば
            叫ぶしかない
蜂が口に入る
               詩人だ
不幸に何になる
             不幸も糧だ
悪い目が
          見えなくても見る
弱い体が
           弱いならば詠う
俺を何にする
               詩人だ

怒りが自分に向かい
              内向の詩
自分を刃物にさらし
              吟ずるは
自分を守るために壊す
              求道の道
何がために
            それも一興よ
このように
           それすらも一興

滅びは近いのか
          ならばそれを詠う
俺は
           体と心のうめき
どうなる
           それを詩とする


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Entry46

地面だけを見て 歩いてきました
世界がどんな色をしているかなんて知らないし
周りにどんなものがあるかのも分かりません
私が知っているのは
地面の色
わずかに生える 薄汚れた雑草
ただ それだけ

ある日 誰かが言いました
「ねぇ 顔を上げてごらん
 空はとっても澄んだ青
 木々の緑は鮮やかだし
 鳥も気持ちよさそうに飛んでいるよ」

青や緑がどんな色かなんて知らないし
だいたい空だとか木々だとか
どんなものなのかも分かりません
鳥が気持ちよさそうに飛ぶってなんだろう

だけどその声はとても楽しげで
少しだけ 顔を上げてみることにしました

ゆっくりと…顔を…上げる…

広がっていたのは…どこまでも続く…闇。

        ・
        ・
        ・

地面だけを見て 歩いています
世界がどんな色をしているかなんて知らないし
周りにどんなものがあるのかも分かりません
私が知っているのは
地面の色
わずかに生える 薄汚れた雑草
どこまでも続く闇
ただ それだけ


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Entry47

ここで

地球儀を回したら世界はこんなにもあるのだと思い知らされる
未来は枝別れをし、それでも私はあなたとここで生きている
このホシのもとであなたに出会えたことを時の神に感謝するわ

この瞬間、ここであなたに出会えたことは本当に大きな奇跡
 
雑草が生い茂っている草むらのなか、私はここに立っている
あなたと一緒に空を見上げたらキラキラに光る満天の星
この巨大な宇宙の下であなたと出会えたことを時の神に感謝するわ

この瞬間、ここであなたに出会えたことは本当に大きな奇跡


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Entry48

首なし男

起き上がった拍子に
頭だけがゴロンと
床に転げ落ちた

まいった
これじゃあ
顔を洗うこともできない

そう思う俺=頭を残して
体の方は
洗面所へ立って
あるはずの顔を洗っている

とはいっても
頭だけである俺には
転がったまま
自分で向きを変えることもできず
聞こえてくる
体のヤツの足音と
かすかな水音とで
ただ想像をしてみただけだ

体のヤツは
襟元が濡れたパジャマを着替え
ワイシャツを羽織ったり
ネクタイを締めたりしながら
足元おぼつかなく部屋の中を歩き回るから
頭だけの俺は何度も蹴飛ばされて
痛い、痛い

何度も叫ぶのだけれど
耳がない体のヤツには
伝わらない

カバンを取りに部屋へ戻った体のヤツは
襟首に溜まったパンのカケラを畳の上にこぼし
ワイシャツの襟から胸にかけてコーヒーのしみをつけていた
(ああ、お気に入りのシャツだったのに)
そしてまた洗面所に行って
(おそらく)ごていねいに
髪があるはずのあたりにクシを入れると
もう一度頭だけの俺を蹴飛ばし
あわただしい足音と乱暴にドアを閉める音を最後に残した

頭だけの俺は
転がったまま
おとなしく体の帰りを待つことにする
考えたいことはたくさんあるんだ
ただひとつ問題がある
体のやつが帰ってきて
頭の俺を
うまく見つけてくれるといいけれど


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Entry49

君に忘れられたくないから

真っ暗な校舎の裏
君に好きな人がいるのも知ってたし
僕に君を守れないのもわかってた
僕が初めて抱いた人 それは君

誰も居なくなったはずの職員室の中
君が居るのは知っていた
楽しい話し声の後
前に聞いた事がある 君の吐息が聞こえてきた

僕は 僕が初めて人を抱いた場所へ時々向かう
それは君を忘れたくないから
そして君に忘れられたくないから

僕が初めて君を抱いた場所で あの男とさよならした
あの人は僕なりに尊敬していた人だった

これでもう僕の事は忘れないね


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Entry50

ある冬休みの日

朝遅めの散歩

片栗粉を入れすぎた中華風焼きそば

あなたからの郵便小包

読みおえた本に昂ぶる感情

腹筋をニ十回

炬燵で団欒


名も無き一日 

日記に記され 眠りにつく


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Entry51

2002

キズイタコトハ、遅すぎて、来年の抱負って、再来年の抱負でもあり。


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Entry52

賀正謹賀新年あけましておめでとうございますA Happy NewYear

年賀状
午って書いたはずだけど
縦棒突き抜け
牛にしちゃった


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Entry53

河原にて

堤防の砂利道を歩く 穏やかな陽が降り注ぐ
頬にあたる風はなぜか 僕にだけ冷たい

河原に下りて意味もなく 石をつかんで投げてみる
大きな岩にぶつかって 思わぬ向きに跳ねかえる

こんな自分を未来の僕が見たら
どんな風に映るのかな
ねぇ この先で待っている僕
どうすればいいのか教えてよ

きらめく水面は眩しすぎて 僕は思わず後ずさり
水浴びする子供たちは 光めがけて飛び込んでいく

こんな自分を過去の僕が見たら
どんな風に映るのかな
ねぇ 過ぎ去ってしまった僕
どうしたらいいのか教えてよ

うれしそうに笑う人 遠くから見ている僕
目覚めたときに濡れている頬 壊れてしまう もう

こんな自分を未来の僕が見たら
どんな風に映るのかな
ねぇ この先で待っている僕
どうすればいいのか教えてよ

どうすればいいのか教えてよ


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Entry54

レ・ミゼラブル

世界の果てに連れていって
世界の果てに連れていって

美しくて、それだけで死ねるような
寂しくて、それだけで死ねるような

世界の果てに連れていって
世界の果てに連れていって

世界の果てに連れていってよ


だけれども

世界の果てはここでした
青い鳥は裏庭にいました
世界の果てはここでした
世界の果てはここでした

世界の果てはここだったのです


なんたる悲劇! なんたる悲劇! なんたる悲劇!


(裏庭で青い鳥が鳴いています。裏庭で沙羅双樹の花が散っています)


なんたる悲劇!


だから我々は裏庭で青い鳥の羽根をむしってみたり
だから我々は月の石を手に入れてみたり
だから我々はトウモロコシの遺伝子を組替えてみたり

だから我々は首都高速をぎゅるぎゅる回ってみたり
だから我々はサルに核兵器の発射ボタンを掃除させてみたり
だから我々は美しさを勘違いしてみたり

だから我々は手首を切ってみたり
だから我々は狂ったふりをしてみたり
だから我々は愚かさをロマンなんていう言葉ですり替えてみたり

眠れぬ夜に頭を抱えてうずくまってみたり

そのように大騒ぎです


存在なんてそれ自体意味で在り無意味で在る
そんな風に開き直れもせずに

存在なんてそれ自体矛盾である
そんな風に開き直れもせずに


なんたる悲劇!

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