第12回詩人バトル Entry18
さびれた洋食屋の脇に
ミカン箱と仔ネコ
あまくておいしい熊本産
……らしい
空はスッキリ冬晴れだけど
わたしの心の中じゃ
1時間に300ミリ
今年一番の大豪雨
わたしの視界はすっかり灰色
雨に捨てネコ
なんて平凡!
なんて最悪!
わたしの知らない誰かは
その人の知らない誰かに
お前が拾われることを願って
ミカン箱なんかに入れたんだろうね
悪いね
わたしネコアレルギーなの
抱っこしてやれないよ
お前 やせっぽっちだね
寒くない?
おなかへってる?
ねぇ 拾われたい?
雨は降ってる?
仔ネコ みゃあと鳴く
わたしも みゃあと泣く
仔ネコ みゅうと鳴く
わたしも みゅうと泣く
ミカン箱をつま先でちょんと蹴る
仔ネコ 振り返らずに走り出す
わたし アレルギーでさ
お前を抱っこできなかったけど
別に悪くなかったみたいだね
最初から
捨てネコなんかじゃないんだから
お前はきっと
心がずぶ濡れになる
本当の雨の日にも大丈夫
大丈夫だろうけど
そんな日には
そんな日にこそ
みゃあ と鳴いてみせるんだよ