第12回詩人バトル Entry19
仄昏い空の早朝に
仄白い息を昇らせる
未だ少し 眠いようだ。
冬の猫が鳴く
その身は温かいが 腹は痩せている
冬の猫の前を過ぎて 停留所へ急げば
はだかの柿が朝を抱く
守られた私に
勿論飢えなどはなくて
それだからと云っても
猫と私は比べられなくて
冬の鳥が啼く
その声は確かだが 姿は隠れている
冬の鳥の影を探して 眼が合うと逃げ
後には揺れる枝ばかり
人である私に
勿論羽根などはないが
それだけを訳にしては
鳥と私は違うと云えない
仄昏い空の早朝は
いきものの命が重く
考えるだけ 頭が寒い。
守られた私に あれほど濃い命があれば
仄白い息にも そのぶんの比重があって
この手に降りて来るものを。
冷たい掌を合わせて
乾いた皮膚を慰めている。