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第125回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
12つの夜想曲凛々椿521
2田園に死す金河南693
3ダビングTsu-Yo158
4促す石川順一201
5かべづくし待子あかね183




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  2つの夜想曲    凛々椿


夏の日差し
夏の青
真っ白な街真っ白なふるさと
だれもいない街


あれから悲しみは痛みに変わりましたか?
痛みを知りましたか?
雪の記憶の声
いえ
ひとりぼっちでただひたすら歩く道は
今はずっと青い空の下にあり
まるで無音で
あの時とまるで変わらずなんにもないけれど
穏やかに悲しい目をしたあの人が
大丈夫
大丈夫だよと
香りを残してくれるので
まだ悲しいままです
ピアノが語る愛の夢は本当は愛の話じゃない
そう知りました




ざわりと 
嵐の後の夜は風が狂う
熱を帯びて


ほどなく世は落ち
あなたと同じ人たちがたくさん生まれました
あれから さみしさはやさしさに変わりましたか?
やさしさを知りましたか?
いえ
この道は花が咲くこともなく
だれかのはしゃぐ声も 今はまだないけれど
左目の下にあざのある人が
大丈夫 と
笑ってくれるので
まださみしいままです
だけど死者のふりはもうやめました
歩いて歩いて
もっと悲しいことを知って
きっと 本当に死ぬ日には笑っているでしょう
戻れない日々には戻れないのです
離れた世界には戻れないのです
だから 先を急ぎます
だれよりも多くの悲しみを知って多くのさみしさを知って
いつか やさしくなれたらいい
おだやかに
たおやかに
ピアノが語る愛の夢は 本当はやさしい人の話なのだと
そう知りました









エントリ2  田園に死す    金河南


あなたは存在 この日は草食
細羽が雲に切られる装置
この日は草食 あなたは混在
水を流しては木板の装置

田 園 なる四角の――そで を、ちぎり。
飛べなくなる***破局を前に、試みた。

あぁ奇跡を信じ 殺される
ギンヤンマ の 目玉


あなた、の 全ては田園に死す。子供の狂喜
わたし、の 全てを田園にして。反射の思想
わたし、の 全てを田園にして。昆虫*偽装

あなた、の 全ては田園に死す。卵子の浮揚

あなたは装飾 この日は晴天
わたし魔術師であぜ道平均
この日は干天 あなたは混雑
遠いサイレン 虫の平均


田 園 なる四角の――どろ に、心打ち。
銀色をさらに***百年すると、試みた。

あぁ浄化を信じ 沈まれり
笹舟に乗せた異体
あなた、の 全ては田園に死す。動かぬ目羽
あなた、の 全ては田園に死す。静止の稲穂
わたし、の 全てを田園にして。嚥下と位牌

わたし、の 全てを田園にして。草食*人間


わたしの髪 緑の草に
わたしの顔 水面の泥に

腐 敗 田 園 ワタシロジィク

あ の飛べないあの 飛 べ ない まだ飛べな いまだ飛べ
あぁ――埋葬は
不朽に続く   晴天よ

あの飛べないあの棒の身*卵を口に――
ギンヤンマギンヤンマギンヤンマギンヤンマ 銀 ヤンマ ギン ヤンマ
笑い
その全てを
風を
見てる、稲穂よ!


かお りかお りかおり香り かお りかお りかおり死す。
遊びだからこんなの(しにたくない)ただの遊びだからねただの遊びだよこんなの(しにたくない)ただの遊びだからね
(しにたく***)


あなた、の 全て 田園に死す。羽音も無言
わたし、の 全てを田園にして。食した罪は
あなた、の 全てを田園にしす。痙攣*離脱

わたし、の 全て 田園に死て。





エントリ3  ダビング    Tsu-Yo


ダビングしようと
君はいった
それはとても
素敵な提案に思えたけど
僕たちは
ダビングすべきものを
なにも持ってはいなかった
だからふたりは
ちょっと高価な
ビデオカメラを買って
それから
寝たり起きたりを
何度かくり返して
子どもを1人つくって
犬とカメを1匹ずつ飼った
その間にも
世界はぐんぐん進んでいて
今どきダビングは
あまり素敵に聞こえない





エントリ4  促す    石川順一


ほとんど角度を無くしたロッキングチェアーで
母も同じ様に角度を無くして目を閉じて居る
目を閉じながら下す母の指令はクーラーを切る事だったのだが
私は余計な説明をして眠りの母にむしろそれをする様に促した

その後居酒屋に行ったのだが
店内の出入り口を南進して直ぐの丁字路を西進して
直ぐの所の座席に腰を下ろすと
通路を挟んで南側の座席で注文を取って居た弁護士(店員)の後ろを
通過する人を二人見た

一人は同じ店員
もう一人は客






エントリ5  かべづくし    待子あかね


真っ白い壁に無数のマッチ棒がささっていて
真っ白い壁に無数に火が灯る
白い壁が だんだんだんだん 赤くなる
赤い壁だけが そこに残る

真っ赤な壁がそこにある
真っ赤な壁に無数のマッチ棒
あっという間に火が灯り
どす黒い壁だけが そこに残る

いつまで経っても
どんなことが起きても
消えない壁

ここにくれば いつでもあえる
ここにくれば いつだってある
消えて欲しいことだって ずっとここにある