第12回詩人バトル Entry37
生まれたての話をしよう。
僕が空気を咬みながら
横目に消えた鳥の薄羽の話
あるいは君の話
本当は孤独の壁面をたまごの内に例えた
もう生きていない詩人の話
重なる僕の季節は
いつだってチョコレートを食べ過ぎだから
たまごを殻ごと口にほりこむ
歯はチョコと先を争い
タラタラ音を立ててとろける
愛しさを歌いながらこぼれた声も
そのまま地に染み込んで見えなくなる
僕は殻を急いで食べていった
君はその白い足のままで
たまごからはみ出て待っているのに
時に僕がもう生きていない話
本当に知らない僕の
生まれていない子どもの話
僕が誰かを愛した話は静かに水に帰る
空気とたまごの話にすり替わり
僕の子どもの頃の話になり
そのまま母の話になり
いつか
空とたまごだけの
話になる
ああ おはよう
そんなに世界が眩しい日なら