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第14回詩人バトル Entry28

イエロー

同窓会とはいえ知らない顔も多い
卒業から何年も経っているのだ
なかでもまったく見たことのない
かわいらしい顔立ちの青年が
友人とわたしとの会話に楽しそうに耳を傾けていた
あなたはだれ?問いかけると青年はイエローと名乗った
それで納得した
彼はこのパーティ会場に生きているのだ
イエローはシャンデリアにぶら下がったり
ひとの輪に加わるともなく加わったり
同窓会を楽しんでいるようだった
そんなイエローにすっかり気を取られてしまった
ついつい彼を目で追っていた
イエローは隣にいるようになった
彼が横にいると
メリーゴーランドに向かって駆けているようで
ハンモックでうたたねをしているようだった

気がつくとイエローはちいさな赤ん坊だった
彼を抱いて同窓生たちの会話を聞くともなく聞いていた
出版社に勤めるAは仕事の苦労話をしていた
イエローが囁いた
出版社にいたことがあるけれどあそこは怖い
いつも怒ってるひとばかりだ
でもわたしのほうがもっと悪いことをしてる
大人のあなたと赤ん坊のあなた
両方と一緒にいるんだから
イエローは笑った
産毛に覆われた頭
ぷっくりとした白い頬
抱きしめると
ちいさな体でしっかりと抱き返してくれる

青年のイエローはビリヤードがしたいと言った

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