第14回詩人バトル Entry60
頭上では桜がいっぱいに咲いて
あたりを薄桃色に染め上げている
道行く人々は上ばかりを眺めて
誰もお前に気がつかないまま
満足げに帰ってゆく
だけど 僕はお前に気がついてしまった
華やかに咲いている桜並木のはずれで
小さくても健気に 黄色い花を咲かしているのに
一人ぼっちでさみしそうなお前に
桜は舞い散り 葉桜の緑があたりをみたすころ
お前は ひとりでがんばって綿毛を飛ばそうとしてる
それでも誰もお前に気がつかない
だけど 僕だけはお前に気がついてやる
いつだって どこに咲いていたって見つけてやる
お前を一人ぼっちにはしない
だから
安心して飛んでいけ
やがて
お前はうなづくように風に揺れて
空に翔けだしていった