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第153回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1複線凛々椿668
2リサイクル待子あかね216
3こつごもり石川順一217




 


 ■バトル結果発表
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詩人バトル読書会
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エントリ1  複線    凛々椿


さようなら
東口にて

 
ひかりの複線は尾を散らし
僕を底知れぬやみへとおいてゆく
風つよく
背筋から心臓へ
夜更けには雪になるだろう
新月の雪だよ
青白いはかなさだ
照らされることのないうつくしさ
黙々と降りつむばかりで
地に染む音も
秘めごとのよう


コーヒーの匂いが少し恋しくて
といっても僕はコーヒーは全く飲めなくてね
いつもいっしょだった人と
百番地の片隅
いつも同じ喫茶室で
みどりのバンダナを頭に巻いた白ひげのマスターと
ずらりと並ぶ雑誌や新聞や
ツバキの鉢花
火曜日のビジネス街の闊歩とともに
くゆる匂いに少しだけ
嫉妬を


右足を摺りながらひかりを追う
東西連絡通路
E7出入口の表示は白と黒の点滅を繰り返している
やみとの共存
その選択を嘆くこともなく


左に平穏
右に濁る海
直進は世つなを渡る道化師で
下に退化
くねる五線譜のように合い別れつらなり絡げ
うしなわれた時間やあいしていたもの
取り返せないもの
視線の先にあったもの
ほしいと 指先をめいっぱい広げてやみくもにちぎるもの
ひととして生まれてずっと苦しいのは
無数の思いと
無数の価値を抱くことをやめられないからなのよ

かなたの君が笑う


僕はコーヒーは全く飲めなくてね
百番地の片隅
いつも同じ喫茶室で
少しだけ君に
嫉妬を


さよなら
東口にて


いつだったか
ともに耳にしたあいのうた
すべてはそこに 苦みは添えられていた
右足を摺りながらひかりを追う
東西連絡通路
E7出入口の表示はかわらず白と黒の点滅を繰り返している
今宵は新月の雪だよ
君は見つめるだろうか
青白く
照らされることのないうつくしさを
黙々と降りつむばかりの
血に染む音は
浮き沈むこころの
秘めごとに似ている











エントリ2  リサイクル    待子あかね


スタートラインに立ちまし
気合も十分
あとは 数分待つだけ
あと少し 少し
日付が変わる

スタートラインに立てなくなりました
気合が熱となって体を飲み込む
数時間待つだけ
あと少し 少し
手足がバラバラになる

同じことの繰り返し
同じことの繰り返し
いつになったら 一歩前に進めるのかしら
あと少し あと少し

捨てるものはリサイクル
昨日来た道をリサイクル
踏みしめて 踏みしめて

巡って 巡って
また 元通り

スタートラインに立ちました
初めて見る 景色がそこにあるね





エントリ3  こつごもり    石川順一


フン族が未だ
こつごもりの日の雪を責めて居る
年末商戦のスーパーを
免田さんは忙しい
日本酒の瓶がアスファルトに落ちる
訓育されて行く
カスタマー達の言動は
ある程度の年月を経て
粉々になる茶色のガラスの結晶を
夢見て居る
「フン」と渡されて行くフン族の
民族の衣装に連なる
卵のきらびやかさは
孟子がとってもラッキーマンのません子を
人身御供に出来兼ねて
小つごもりの日の商戦は
途中から雪となり
免田さんを忙しさから解放しない
卵酒を飲んで居る
免田さんを容赦しない