第16回詩人バトル Entry81
大気を満たした海の底で
僕らは泳ぎまわる
感情を抱え過ぎた身体は
海面に近付けなくなったけれど
磨かれなかった原石の砂を
掻きみだし まき散らし
伝った波は
地上の誰かが認めてくれる
そんな深みにも 暴れる命はある
それでも
砂利の中の僕らは 死んでいくんだよ
漂う力にも逆らって 水面(みなも)へ昇ってしまうんだよ
泳ぎ忘れて陸に辿り着けば
少しの傲慢と 少しの気後れを
織り込んだ来世の衣を羽織る
もう今は海がきらい
揺れる波と光に臆する
焦がれた青と闇にも臆する
精一杯にボートへしがみつくだけ
精一杯に足を踏み締めるだけ
僕には脅威になった記憶
浮き沈みはバカ正直に
心に託した 深海の僕ら