第16回詩人バトル Entry82
人ごみを避けて歩道の隅に立っていたら
私の目の前で
知らない人が立ち止まった
私は気詰まりがして退いたけれど
その人は気付いた様子さえなかった
夜 お風呂で考える
私が“いる”ってどういうことだろう
寂しくなってお湯を叩く
ちゃぷん
ちゃぷんちゃぷん
頼りない音が響く
みんな 私がここにいるって知らない
空に輝く月だって
私の存在なんかどうだっていい
大きな声で叫んでみても
誰かに電話をしてみても
決して報われることなんかない
きっと余計に寂しさが増す
いくら考えてみても
ばかげた健やかさと穏やかさで
いつも通りの朝が訪れる
それでもやっぱり
違う朝が来ることを期待する私がいる