第17回詩人バトル Entry37
河原に石を拾えば
それは角のとれて小さな
頼りなく確かな重み
御前の向こうに山が見えるか
神々の棲んでいたその山
御前が抱いてきた山並みが
其処には未だ 生きているのか
水際を上の橋へと歩けば
川を挟んだ岸のさき
次々にあかりが灯りはじめる
石に染みた記憶に
それは強固だと皆云うが
聞く程確かではない
彼等も夜には夢を見るだろう
数多の眠りのなかに沈み
彼等の無機の仲間に潜んで
その日一日を 盗んでいくだろう
御前は今も繋がっている
神の代の絶えたのちにも
地をくぐる脈をとらえ
全てが移るさまを知るのだ
水際に足先のつく近さで
てのひらに強く握り
流れの中へさざなみをつくる
愛づるべきその眺め
終わりゆく入日に照り 波は波を追う
知り得ない智恵の幾千の積層
そのうえを長良の鵜飼いが行く、
明日をまた迎えるために、
ほうほう と鵜を呼ぶ声がする。