←前 次→

第17回詩人バトル Entry38

スイカ中毒

今日、この夏通算 五玉目のスイカを食べた

 人に言わせりゃ「あんた異常だよ」

だから本当は秘密にしなければならないのだが、ついつい口からこぼれてしまう

今年のスイカは出来が悪い
雨が多いからだそうだ
美味しいスイカの見分け方で選んでも素晴らしく美味しいスイカには出会えない
雨が多いからなのか 見分け方が間違っているのか 
出会えないから、また求めている
まだ見ぬ素晴らしく美味しいあなたに愛してる!

 人に言わせりゃ「なんでそんなにすきなの?」

それは、一言では答えられないけれど、とにかくメロンよりは好きだな
あの木綿豆腐のような タオルケットのような
画用紙でいえばざらざら側のような感触が好き
メロンは絹ごしで、スカーフで、つるつる側の画用紙
(鉛筆の2Hだと書きにくいの 消しゴムで消すとぼろぼろになっちゃうの)

それより、なんてったって スイカで一番すきなのは赤い色!
外側は緑なのに なのに、なのに、中にあんなに鮮やかな赤が隠れているなんて
厚い壁に閉じられた暗い密室に みずみずしい赤がひっそりと監禁されている
だけど
スイカを食べているところなんて、なんて! 恥かしくて誰にも見られたくない

包丁を入れる時は
ちゃんと赤が隠れていますか、と どきどきしちゃう
本当は少しずつ少しずつ、削ぐようにこっそり覗いてみたいのだけど
なんだかそれはかわいそうなのでやんない


今日もスーパーの店先にはスイカが山積みされていた
(もっと売れろ! 販売促進委員会開きたい)
出来ることなら誰が買うのかじっと見ていたい
そして家まで付いていって、どれくらい美味しく食べられてるかをずっと見ていたい

 人に言わせりゃ「あんた、スイカ中毒だよ」

そうかもしれない
いいじゃないかそれで

まだ見ぬ素晴らしく美味しいあなたに愛してる!

←前 次→

QBOOKS