第18回詩人バトル Entry17
自然の定理に逆らうでもなく
道路にまかれた水が
速やかに蒸気に変わる
鮮やかすぎる果物屋の店先
まだ青いメロンの香り むせかえる甘く
喫茶店はコーヒー紅茶 冷たいのもヨロシク
空廻るチェーン、すれちがう 愛しいあの娘の自転車輪
半そでの白い腕に日差しはもう痛い
女の子に生まれていたら
僕は間違いなく日傘を買うだろう
全宇宙の力が働いて
地球の端の ギリギリ隅の
こんなちっぽけなぬるい町にも
夏は内緒で近づいてくる
たまにちょっとラッキーで 笑ったとたんに沈み込んで
そう万事がこんな調子
全てがあんまりに簡単に 目まぐるしく廻って
ひと雨ごとにシャツを一枚脱いでいく
夏休みが死ぬほど長くて 湯水と使ったあの日の午後も
嘘みたいな本当の話
全宇宙の力が働いて
地球の端の ギリギリ隅の
こんなちっぽけなだるい町にも
夏はこっそり近づいてくる
地中のセミがジリジリと
鳴く日を心待ちにしている間に
夏は内緒で近づいてくる