エントリ1
真鍮の置時計 植木
初めて見る夢
じゃないなぁ
と思い乍ら
悪夢から覚めると、
時計の針が
止まっていたり
する。
エントリ2
四行詩 石川順一
朝の寺の鐘が地を這うように聞こえて来る
その日はこめかみが寝ようとすると痛くて
頭頂部も攻撃を受けて
スノーフレークかき氷を食べた日でした
エントリ3
荒れ野にて サヌキマオ
こんな荒れ野にも
保育園のベビーカーが通る
ベビーカーには七人の乳幼児が乗っていて
保育士さんに押されてシビックセンターの中を通り過ぎる
東京ドームの外を一周する
車は今日も
春日通りを大挙する
白山通りを大挙する
子供の目は
走り去る通運のトラックを追う
赤赤緑と三台連なったタクシーを追う
歩道から横断歩道に降りる時の
がっとんという響きを足の裏に感じる
帽子から伸びたゴムひもを
噛んで咥えてちゅうちゅうと吸う
荒れ野に住む子供
荒れ野から自転車の後部座席に揺られて少しのマンションに住む子供
こんな荒野にも
まいばすけっとがある
拳ほどもない小さな玉ねぎが
ふたつで九十二円で売られている
(消費税は別である)
と最後に書こうかどうかでしばらく悩む
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