第20回詩人バトル Entry17
君は何とか言いたいことをうまく言いたくてそれでそんな手帳を持ち歩いているけど
手帳に色々なことを書いているけど
でもそんなものは全く役に立たないから捨ててしまった方が良いよ
そう言って彼はあたしの手帳を奪い取ると、紙飛行機にして投げてしまった
あたしはあたしなりにそこに色々なことを
例えば日記だとか例えば虫の死骸だとか
例えば彼への秘かな恋文だとか
例えば世界の終わりだとか
そのようなことをあたしなりに書いてきたので
二年もかけて書いてきたので
だからさすがにキレて
彼をぶん殴って彼に馬乗りになってそしてまたぶん殴って涙をぽろぽろ流しながらぶん殴って
馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、死んじゃえ、馬鹿、この馬鹿野郎
そんな感じに怒鳴った所へ
ほら、うまく言えたじゃないか
と、彼は鼻血を出しながら言った
思った通り、君の声はなかなか良い感じだよ
彼はにこりと笑った
あたしは彼から離れ
そして礼を言うべきか憤慨すべきか決めかねて
だから空を眺めた
紙飛行機はふらふらと低く
もう落ちている
そう言って良いような高度で
でもどういう具合か、書き付けた文字の重さがバランスを取っているのか落ちなくて
地上すれすれを
這うように跳び続けていた