Entry No. | 作者 | 題名 |
---|---|---|
1 | HAJIKO | 風の声 |
2 | mika-pop | やさしいひと。 |
3 | RINA | 音? |
4 | ニーツ | 夕暮れ |
5 | れん | 心臓 |
6 | 加賀 椿 | 花粉症 |
7 | 歌羽深空 | マヨナカノシャボンダマ |
8 | 花 | 箱 |
9 | 狭宮良 祇簾 | 冬へ |
10 | 黒椿 | エンジェル |
11 | 如月冬雅 | 愛したいのです |
12 | ゆや | 衰弱 |
13 | ヨケマキル | AA商店街戦闘記 |
14 | 魁秘 渉 | 想い |
15 | 五月原華弥 | 一方通行 |
16 | 香京 | Speace |
17 | 深沢 | GOOD BYE |
18 | 道人 | 目覚め |
19 | 麻貴香音 | やまない雨はない |
20 | 木葉一刀(コバカズト) | 賢者と鉄鬼を操る者と |
21 | 和馬 | 天使 |
22 | 棗樹 | 主婦たちへ |
23 | (作者の要望により掲載終了しました) | |
24 | 芽萌里 | 最近 |
25 | 月明かり | 宝くじ |
26 | 有機機械 | 愛染明王 |
27 | 風早瑞樹 | The End Of Crucifixion |
28 | 瑞松花 | 荊薔薇子の月 |
29 | 小松知世 | 夜明け |
30 | 橘内 潤 | 『ブランコ』 |
31 | 沙汰 | ツメタイ箱 |
32 | カムリア | 展覧会 |
33 | 仲川苓斗 | 偶像 |
34 | YamaRyoh | 待 |
35 | 大覚アキラ | 見よ |
36 | 氷月そら | ほんとう |
37 | るるるぶ☆どっぐちゃん | 天気予想図 |
38 | 春九千 | 冬のほうが日が短いのにねぇ(´ー`)旦 |
39 | 深sachi | 閉ざされた室内 |
40 | 3104-0091 | D'ont worry ! |
41 | てこ | ノヴァ |
Entry1
風の声
HAJIKO
行数(文字数)30
風の向きは変わろうとしてる
強さや温度はそのままで
わたしは もっともっとしっかりと 足を固めなきゃならないのに
どうしてだろう 動けない
どうしてだろう 動けない
この変化をいま 1番受け止めなきゃいけないのはわたしなのに
この変化を起こしたのは たった1人わたしなのに
誰かを頼って 期待して 傷付いていく
後ろ向きなのはわかってやったこと
きっと1日で大きく育つだろうこと
わたしはほんとうに臆病で
わたしから 逃げたい わたしに ごめんなさい
ねえ あなたは 勇気づけようとしてくれるけど
ねえ あなたは 優しく言葉をかけてくれるけど
涙と呼吸と 熱くなるばかり
歌うよ 歌うよ 悲し気な言葉ばかり
きっと もう少し 時間があったら
もっと 華やかに 爽やかに 生きようと 動けるだろう
笑うと 泣いちゃうくらい 喜びを幸せに思えるだろう
変わるのは 見かけだけじゃないと わかってくよ
風を 起こすのは わたしなんだ
Entry2
やさしいひと。
mika-pop
http://members.goo.ne.jp/home/mika-pop Little Pig Tail
行数(文字数)10
たとえば雑踏で
ぶつかった肩と肩
痛みはあなたに舌うちをさせますか?
それとも
‘ごめんなさい‘の一言を導きますか?
あたし知ってる
ちゃんと知ってる
あなたはきっと
からだぜんぶで
やさしいひと
Entry3
音?
RINA
行数(文字数)11
何かが体を貫通していった
カマイタチのように
僕の体をバラバラに
右手を 左手を 右足を 左足を
頭だけになっても意識ははっきりしてて
目だけは閉じられなくて
たくさんの顔が笑ってる
大きく開けた口はさっくりと裂けて
したたる血は僕の顔の横を落ちていく
もっともっと下の方へ
僕の顔と一緒に堕ちてく
Entry4
夕暮れ
ニーツ
http://k.excite.co.jp/hp/u/shungo252 路上に咲く華
行数(文字数)136
紅茶に夕陽移る時
僕は
優しさを抱き
河川へ行く。
幻みたいな現実は
真っ赤に燃えて
灰になり
夜空の星へ
向かってゆく。
この輝きは
僕の夕暮れ。
水辺でキラキラ
沈む涙。
紅茶に夕陽移る時
空と紅葉が
重なって
美しく燃えるオレンジ。
僕の針
呼吸を揺るがし
息切れしそうな
秋の夕暮れ。
Entry5
心臓
れん
行数(文字数)161
ベースの音が刻まれるように
私の心臓にも、あの人の心が
突き刺さった。
どうしていいかわからない 反面
反応するからだ
そんなのはみえみえだ。
どうぞこのまま、好きなように
いままでそうやってきたじゃない
いまさら
そう
いまさら何を言わせたいのだろう
私には、もう
あのころの輝きは
これっぽっちも残っていない
いま、あるのは そう
卑屈になった
心臓
Entry6
花粉症
加賀 椿
http://members5.tsukaeru.net/rayna/ 朝凪村
行数(文字数)8
くしゃみをし 顔を上げると
キンモクセイ
オレンジ色の 花咲かせ
甘い香りを 放つ木よ
小さき花は 愛らしく
香りに心は 浮き立つが
秋だと感じ 歩く目に
どうしても涙が にじんでしまう
Entry7
マヨナカノシャボンダマ
歌羽深空
行数(文字数)317
蜘蛛の糸が
星を絡みとって
闇夜に消えていく
真夜中のシャボン玉
ゆっくりゆっくりつくっていく
大きい玉に小さい玉
ゆっくりゆっくりつくっていく
小さなため息と、
乾いてしまった夢を詰め込んで
そっとそっと吐き出していく
消えていく街の灯が
照らしていくアスファルト
真夜中のシャボン玉
たくさんたくさん割れていく
月の矢に刺されて
たくさんたくさん割れていく
それでも私はベランダで
また夢を吐き出して
心の中に
潤った夢を
ふくらます
ほら
寒い風に流されて
小さな小さなシャボン玉は
群れを離れてたった独り
人間の縮図を見ているようで
私が窓を閉めかけて
また開けた時は
真夜中のシャボン玉
私の心が晴れるまで
ずっとやらせてくださいな
真夜中のシャボン玉
その代償は
シャボンの液と
私の寝不足
Entry8
箱
花
行数(文字数)25
カタイ箱の中につめこんで
あふれだしそうな気持ち
何度も何度も押し込んでカギをかけたね
痛いキズを閉じ込めるはずが
大切なものまでも閉じ込めてしまった?
もう二度と開けないと思ってた
絶対に消せないと思ってた
沢山のキズを閉じ込めたカタイ箱は
きみの手でカンタンに開いてしまったね
きみはそのキズさえもカンタンに消してくれたね
思い出せない−なんだろう・・・−
昔ふれたことのある甘いにおい
箱の中のキズたちに
甘いはちみついっぱいかけて食べてくれたね
忘れかけていたのは
すべての おもいで
痛々しい やさしさ
フタをするのはもうやめよう
Entry9
冬へ
狭宮良 祇簾
http://willowslord.tripod.co.jp/ aqua regia↓FP。
行数(文字数)34
秋があまりに速いので
頭を傾げて音を聴く
平衡線は傾いて
砂のように落ちてゆく
澄ました耳は身体を離れ
明るい場所へ逃げ出して
天辺の百舌鳥がきいと啼き
私はそれを肌で知る
さようなら私の一年
私はすっかり入れ替わった
点に収束する絵のように
季節はひとつに向かっていく
秋は音だけ暖かいので
瞼を下ろすと眠くなる
終わりの扉は閉じてゆき
土のように黙りこむ
眼の奥にはかすかな痛み
慣れない光に瞳孔は閉じ
庭の小枝にとかげが刺さり
私はそれを忘れ去る
さようなら私の一年
私はすっかり入れ替わった
日々に崩れる細胞と共に
季節は高みに向かっていく
未だずっと寒い処へと
銀色に立った送電塔の
白い光の降る処まで
Entry10
エンジェル
黒椿
行数(文字数)22
太陽が月に食われたとしても
僕は君から目を離さない
光が闇に覆われたとしても
僕は君を見詰めていられる
君は一人きりだと嘆くけれど
僕はここにいる
君の瞳はもう癒されないけれど
僕のベールで包んであげよう
君は僕が遠くに居ると思っているけれど
僕は目の前にいる
君は気づかないかもしれないけれど
それでも僕は君のそばに居るよ
さぁ 立って 君にはまだやることがある
神様は居るって言ってたよね?
また新しい出会いをくれるサ
Entry11
愛したいのです
如月冬雅
http://members.tripod.co.jp/kisaragitouga/ 天壌無窮
行数(文字数)215
もしも
もしも
人を愛せない人がいたら
あなたはどうしますか...?
もしも
もしも
あなたの愛した人が
人を愛せない人だったら
あなたはどうしますか...?
人を愛することを拒み
人を愛すことを諦めてしまう...
そんな人が、
あなたの愛した人だったら...
あなたはどうしますか?
愛してる
愛せない
愛しては...イケナイ??
どうしよう
どうしよう
ああなたが好きなのに
どうしよう
どうしよう
あなたは愛してくれないのに...
そっか、あなたの何百倍も
愛せばいいのか...
カンタンダネ...
Entry12
衰弱
ゆや
行数(文字数)13
メール下サイ。
僕ハ弱ッテ ヰル。
僕ハ弱ッテ
アナタ ト 話セナイト
アナタ ト
コンナニモ苦シイナン
コンナニモ
ハジメテ 知ッタ
目ガハレチャッタヨ・・・
Entry13
AA商店街戦闘記
ヨケマキル
http://www5.ocn.ne.jp/~yoke/ ハサミ
行数(文字数)51
自転車の空気入れをギターに改造した
<AA商店街戦闘記>
22時のニュース
「この町の町内会長が月の所有権を手に入れた」
そりゃあ大変だ 横取りしに行かなくちゃ
空気入れギターをマシンガンに改造した
僕は何も産めないので せめてもの救いに
僕は何も産み落とせないので せめてもの慰めに
さあ、戦争をはじめよう
makewar notlove makewar notlove makewar notlove
戦闘服に身を固め
空気入れギターマシンガンを担いで出発だ
なんて完璧な戦争日和
月が真っ赤じゃないか
午前零時
AA商店街の鬼皿(きさら)フルーツ店の隣に
正体不明の店がある
いつもシャッターが閉まっていて
そのシャッターの右にドアがひとつ
実はそこがやつらのアジトなんだよ
冗談みたいな話だろ?
でもこれホントの話なんだよ
まったく無防備なアジトだよ
空気入れギターマシンガン(それにしても長ったらしい名前だ)を
ドアに向け
撃った
ブラボォ
思った以上の破壊力
耳がいかれたかな?
耳栓を忘れた
おっと ついでに人が倒れてる
町内会長さんか?
ちょうどドアのところにいたんだな
もっとスマートにやりたかったんだけど
まあいいさ
手間が省けた
うまい具合に左手に契約書
これで月の所有権はボクのものだ
こんなに簡単にいくとはね
その時
頭の後ろにピストルを突き付けられた
「ボウヤ残念だったね」
鬼皿フルーツ店のオヤジの声だ
仲間だったのか
こういう時のために
ベルトのバックルを自爆装置に改造しておいたのさ
ボタンひとつでサヨナラだ
さあ見てろよ
商店街ごと吹っ飛ばしてやる
この作品をアームストロング船長に捧げる
返品はお断りだ
Entry14
想い
魁秘 渉
行数(文字数)140
そんなに大きくない背中に 少し大きめのシャツ
思わず裾を握りたくなる
目が合うたび後悔する
何も出来ず すれ違うだけの自分に
どんな瞬間も あなたを想っていて・・・
逢えないことが辛いわけじゃない
想いが伝わらないのが辛いわけじゃない
あなたに想われてないことが
一番辛くて 悲しくて 苦しいこと
Entry15
一方通行
五月原華弥
http://www7.ocn.ne.jp/~kakuu/ 華空羽 -Imagenary Poet-
行数(文字数)8
こんなちっぽけなあたしが
あなたにこの「だいすき」を
全部あげてしまったら
いったい何が残るのでしょう
あなたへはずっと一方通行で
たまに交互通行になるけど
またすぐに
あたしから一方通行
Entry16
Speace
香京
行数(文字数)22
一つの星を眺めていたら
さみしくて悲しくて
泣きたくなるけど、涙は出てこない
何でだろうな どうしたんだろう
ずっと忘れかけていたモノ
苦しくてつらい記憶
すべてを湖に投げ捨ててみた
冷たい液体の中
苦しくて狭くて早く外へ出たいと叫び
この世を恨んでしまった
少しずつ壊されていくデータのように
傷が深くなっていく
そんな姿見たくないよ
見捨てるなんてできないけど
キミ達の痛みもよくわかるさ
慰めや哀れみの言葉も通じないから
遠くの小さな星を見つめて
何を考えているのですか
一つ一つに願いを託すなら
全てを動かしてみたいよ
全ての傷を治そう
僕達は僕達で救える日が来るまで
Entry17
GOOD BYE
深沢
行数(文字数)29
あの時君の声は聞こえていた
だけど僕は走り去った
聞こえないフリをして
あの日君は泣いた?
髪が伸びたねと話しかけると
君は恥ずかしそうに笑った
下を向いたままで
ねえ僕は変わった?
吹き抜ける風はいつのまにか冷たくなって
起き抜けにくしゃみをひとつ
夏はもうとっくに過ぎ去ってたんだ
枯葉色のジャケットを羽織りながら
君が風邪などひいていないかと気にかけてみる
だけどそれは余計な心配で
今君は暖かい?
残念ながら僕は冷たい
この2人の温度差は
心の距離と比例して
ほら互いの姿、もう見えなくなっている
小さくなって消えて行く
そういや僕ら
あの言葉をまだ言ってなかった
別れの挨拶
「サヨナウラ」
Entry18
目覚め
道人
http://www.h3.dion.ne.jp/~mitihito/ 一草庵
行数(文字数)22
雑踏に紛れ巣に戻る
その途中
メロディーが脳を過ぎる
時は滞り
ノイズは止んだ
無意識のうちに開放される後悔
滂沱の如く流れだす涙
自責という針
孤独の中に身を置き
幼い自分を走りだす
もう時は過ぎ
悔いることなど意味を待たない
いま気づく
遅くはない
新しいことは今日から始める
決心したことは今から始める
Entry19
やまない雨はない
麻貴香音
行数(文字数)18
一人でいいから本当の自分を
見せられたら 見せてくれたらいいと思う
そう一人でいいから
向き合って
素直に話せたら
こんなにも苦しい
日々は少しずつ
消えてゆくのだろう
ナゼ生まれて...
そして明日死んでしまうかもしれない
考えるだけで不安になってしまう世界に
ナゼ僕らはいるのだろう?
誰も気付かぬまま
きっと何も知らぬまま
過ぎ行くのかもしれない
長く降り続いた雨の中
僕らは新たな光を見つけ
答えを導いてゆく
Entry20
賢者と鉄鬼を操る者と
木葉一刀(コバカズト)
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/7952/index.html 鉱石のRevolution
行数(文字数)39
彼は幾百年とここにいる
それは海岸線がまだ彼を囲っていた頃からだ
その頃の彼はまだ若く
時化たときは幾度命を削ったことか
しかし
今は生き延びる法を学び
時化を読み
その身を波にまかせ
風と共に舞う法さえも覚えたものだ
だがその波さえも今の彼に届かない
永い時が経った
彼は自身の根が届く境界であれば
全てを知ることができる
回りには同じように生き延びた友も彼と在る
傷ついた体は互いに補完し合い
寄り添いながら生きてきた
マングローブ
永い時の蓄えは知識だけにはとどまらない
だが彼らも逝くときがきた
彼らの知識では有り得ない鉄の塊が
意思持つ者に操られ、無心のままになぎ倒す
静寂なる賢者は排煙の鉄鬼を前に
目を閉じるだけなのか
排煙の鉄鬼もまた
マントルの一部たる
あるべき自身を取り戻すことはないのだろうか
そして鉄鬼を操る者のみが
高みからただ無表情に見下ろす
それが摂理と呼ばれるのなら
傍観者たる私はもう何も見たくない
Entry21
天使
和馬
行数(文字数)27
「運命の出会い」なんて
そんな大それたものじゃなかった
ただ一緒にいると楽しくて
あなたの前では素直になれた
いつからだったろうか
気がつくと目で追っていて
視界の中にいないと落ちつかない
そして
見つけた時 ほっとする
あなたは私の天使だった
傷ついてるとき
そばにいた
そして、一言こう言うんだ
「大丈夫。地球はまだ回っているから」
今日も
ぼくは天使に逢いに行く
Entry22
主婦たちへ
棗樹
行数(文字数)5
午前4時32分 夜泣きをしていた赤ん坊がようやく眠り
午前5時18分 洗濯機の中でとぐろを巻くジーンズ、を
二十四時間ぶりに干す。
平凡な日常?
俺のは星間戦争並みに火の玉が飛び交ってるよ
Entry24
最近
芽萌里
行数(文字数)17
君がいなくなる夢ばかり見るんだ
ついさっきまで一緒にいたはずなのに
すぅっと消えちゃうんだ
一緒にごはんを食べていても
じゃれあって遊んでいても
抱き合って眠っていても
空気みたいに消えちゃうんだ
今朝なんてキスの途中で消えてしまって…
夢の中の君は何処に行くんだろう?
現実の君も何処かに行ってしまうの?
とりあえず今は僕の隣に
何処にも行かないで
行くなら一緒に連れていって
君がいないと不安なんだ
時計は今六時半
もう眠れそうにないから
君の寝顔をずっと見ている
Entry25
宝くじ
月明かり
行数(文字数)29
宝くじが当たったら。
明日、会社を辞めてしまおう。
目が覚めるまでゆっくりと。
久しぶりの安眠が僕に訪れるんだ。
宝くじが当たったら。
満員電車に乗るのはもうよそう。
苦渋に見満ちた人々の顔など見たくはないんだ。
過酷過ぎる程の競争社会の螺旋から離脱しよう。
宝くじが当たったら。
超豪華客船に乗り込んで
自由気ままに世界を巡ろう。
青い空と白い雲を見つめながら身も心もそこに溶け込ますんだ。
宝くじが当たったら。
欲しいものをみ−んな買って
家族も友達も恋人もみんなみんな旅行に招待して
いつでも笑顔に包まれた暮らしを始めるんだ。
宝くじに当たったんだ!!
でも僕は前と何ら変わらない生活を送っている。
即ち大切なものはお金じゃなくって
僕自身の心の中に隠れていたのかもしれない。
だからこの宝くじは僕の宝物にしよう。
お金になんて換えなくたって。
最近の僕はとてもうまく笑えるんだ。。。
Entry26
愛染明王
有機機械
http://www.d2.dion.ne.jp/~syuki ORGANIC MACHINE
行数(文字数)10
彼女のことを愛しているのか不安になる。
彼女と暮らしていけるのか不安になる。
彼女と付き合ったのは間違いじゃなっかたのかと不安になる。
僕は、僕が彼女の首を絞めるところを想像してみる。
僕の指が彼女の細い首に食い込み、脈打つ頸動脈や塞がれた気道を僕は確かに感じる。
彼女は悲しそうな目で僕の名前を呼ぶ。
そこまでイメージしてやっと僕の中に込み上げてくる感情がある。
大丈夫。
僕は彼女のことを愛おしく感じている。
とても。
そして今日も彼女のことをぎゅっと抱き締めて眠りにつく。
Entry27
The End Of Crucifixion
風早瑞樹
http://free.gaiax.com/home/takayuki 早瑞樹の私室
行数(文字数)48
ねえ
殴られても
罵られても
貴方が好きだよ
愛しているわ
貴方が
薔薇をしか愛せないなら
私は
従順な羊になりましょう
倒立した十字架に
さかしまに磔けられて
それでも涙は流さない
真っ直ぐに 貴方を
見つめて 微笑むから
貴方の心の傷は
すべて私が受け止めてあげる
何もかも 私にぶつけて
私を殺して……
殺して…… いいよ
なのに何故
貴方はためらうの
こうして決心を固めて
すべて貴方に捧げているのに
なぜ
私を愛しているなんて
嘘をつくの
あなたは魂まで薔薇の虜なのに
私を愛せる 筈がないのに
振り上げられたナイフは
私の心臓の上で止まる
「駄目だ…… 殺せない……」
貴方はつぶやく
そして私は
十字架を外される
傷だらけの躰を
貴方に寄り添わせて
二人 朝を迎える
お願い 時よ止まって
彼が薔薇に埋もれて
美しく召される前に
気がつけば一人
朝の空を見つめている
私は 生きている
なんと苦い 生の味
私も薔薇を抱きしめて
あのひとの後を追おう
それまでは この現実を
生きて…… ゆこう
Entry28
荊薔薇子の月
瑞松花
行数(文字数)21
あたしは あのひと(きみ)が好きだった
そしてたぶんずっと これからも。
でも きっと、あのころが一番、輝いていたんだ
でも 誰よりも きみが好き
儚くて 優しい狂気 くれたから。
きみが泣いてる 誰がそんな風にしたの?
人は変わるね。
きみは悲しくなりすぎて(あたしも哀しい)/ きっと変に不安定。
きみがそこに立ってるのは 極限状態(ぎりぎり)だったのに。
でも みんな それを知ってるから あれだけ優しくなれる。
可哀そうに、可愛そうに。
少しずつ狂っていく
止められないけど 祈ってるよ。
「せめて、此処から。」
Entry29
夜明け
小松知世
行数(文字数)31
朝など
来なければいいと思ってた
夜明けを
待ったりもしなかった
朝が来るのが怖くて
一晩中起きてみたり
夜の中にいるのが心地よくて
一晩中起きてみたり
私の心は・・・病んでいたのか?
希望を朝と見立て
絶望を闇と表現し
夜明けはそこから抜け出す様子だと
そう言うけれど
夜明けは明日への道標で
明日を待ってない私にとっては
苦しみの始まりでしかなく
それは決して救いではなかった
救いはむしろ夜の中に
儚く消える淡雪の中に
キーンと響く静寂の中に
どこまでも同色の夜の海に
朝など来なければいいと
そう願い続けていても
眠っても
起きていても
夜は明ける
飽きるほどに
飽きるほどに
Entry30
『ブランコ』
name:橘内 潤
行数(文字数)35
手を掛けると 錆びた鎖がきいと鳴く
足を乗せると 褪せた木がぐうと唸る
両手に掴んだ鎖を引き寄せ 揃えた両足で木を前に押し出す
きい ぐう と声を上げて ブランコが持ち上がる
視界が青に倒れこむ
前に傾いた反動で 次は後ろに傾きだす
それに合わせて 両手を突き出して 両足を引き寄せる
きい ぐう と笑いながら ブランコが弧を描く
視界が赤に口付ける
後ろに倒れたブランコを 前にぐいと押し戻す
今度は もっと持ち上がる
青がぐわと近づく
青を跳ぶ視界が ふいと止まり
それを赤が吸い込む さっきよりも速く
そして遠ざかる さっきよりも遠く
両手を引き 両足で押す
両足を寄せ 両手で突く
青が躍って 赤が跳ねる
きいと鳴って ぐうと唸る
反復しては 反復する
繰り返しては 繰り返す
躍る 跳ねる
跳ねる 躍る
きい ぐう
きい ぐう
Entry31
ツメタイ箱
沙汰
行数(文字数)24
信じられる モノかき集 めて
貴方の言葉 に怯えてた
うそつきな その唇から
はき出され るシンジツ は甘くて
その中から 抜け出せず に
ふるえる手 握りしめて
貴方の宝物 を
無機質な箱 に詰め込ん だの
凍えてるわ
悪魔はもう いないのよ
なのに
あなたは 雲の影に だれかを
捜し求めてる
わたしは 空の陰で なにかを
こわした
Entry32
展覧会
カムリア
行数(文字数)8
真っ白な壁とクリーム色のカーテンが小さな部屋を彩っている。
その小さな部屋にあるのは黄緑色の引き出しと何の変哲も無いベッド
そんな部屋にも、小さな窓がひとつ
窓から見えるのは・・・
白い雲と青い空
まるで一枚の絵のように飾ってあるようで・・・
そこで小さな小さな展覧会
どれくらい経っただろう、退屈しのぎに一枚の絵を見つめていた・・・
Entry33
偶像
仲川苓斗
行数(文字数)36
どのくらいの祈りに満足すれば
貴方は ただの木に戻されるのでしょう。
あふれる樹液に虫は潤い、
伸びゆく枝に鳥が守られる。
その陰に私たちは腰を下ろし、
貴方は一番きれいな深呼吸をする。
それだけが貴方を生かすのだろうに。
今は 主(しゅ)の型をとり
眠りつづけるしかないのですね。
どのくらいの拝を費やせば
貴方は ただの石に戻されるのでしょう。
地球の熱さを身に潜め、
力強さはすべての底を支える。
その重みに私たちは腰を下ろし、
貴方は一番あざやかな光を放つ。
それだけが貴方を生かすのだろうに。
今は 主の型をとり
縛られつづけるしかないのですね。
命はいつまで誤解されるのでしょう。
私たちは もはや なによりもかしこいのに。
ただ ただ そこに根付いた木々に、
ただ ただ そこに横たわった岩石。
人の巻き込んだ命たちには
生きることだけが 一番の美しさなのに。
Entry34
待
YamaRyoh
http://presents-yr.hp.infoseek.co.jp やまりょう波紙報聞所
行数(文字数)36
今日も今日とて待ちぼうけ
予定の時間は2時間前
携帯に残る発信記録
隣でいちゃつくバカップル
まー毎度の寝坊だろう
こんな事で怒っちゃいかん!
今日も今日とて待ちぼうけ
公園 噴水 老人会
鳩と一緒に待ちぼうけ
あれから更に30分
そろそろお腹が空いてきた
鳩と目が合う その目は語る
「哀れなものよの」大きなお世話!
今日も今日とて待ちぼうけ
鳩 八つ当たり とばっちり
頭に糞乗せ待ちぼうけ
頭を洗って近くの食堂
ラーチャーセット激安で
量が多くて胸焼けに…
今日も今日とて待ちぼうけ
放課後 後輩 彼女つき
ばったり本屋で御対面
「あれ先輩? デートじゃないの」
確信犯か? そーなのか!?
今日も今日とて待ちぼうけ
結局そのままご帰宅さ
街灯 市バス バスカード
ピッと通して「さよーならっ!」
Entry35
見よ
大覚アキラ
行数(文字数)34
目を
閉じろ
瞼の
裏の
稲光
この
世界の
ありと
あらゆる
全てを
真昼の
如き
純白に
染めろ
終わりの
始まり
なのか
始まりの
終わり
なのか
そんな
ことは
もう
どうでも
いい
今
この
瞬間に
混沌は
無に
還り
絶対零度の
爆音が
誕生する
Entry36
ほんとう
氷月そら
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/3145/top.html 空模様。
行数(文字数)34
そう、
あなたはやたらとキスが好きで
何度も、何度も、
たくさん、たくさん、
いろんなキスをくれるんだ
だけど、
やさしく ふれるだけのキスとか
はげしく ながくふかいキスとか
それは
ほんとうだろうか?
さらに、
髪をなでるてのひら
強く抱きしめるその腕、その重み
それは
ほんとうに、ほんとうだろうか?
突然、
ぱちん
と、ふうせんが割れるみたいに
すべて 何もかも
消えてしまうんじゃないだろうか?
今、あなたはここにいて
今、私はあなたの腕のなか
それは
ほんとうに、ほんとうに、
ほんとうに、ほんとうだろうか?
あなたの肩ごしに
ちょうどはんぶんの月が見える
ああ、
なんだかオモチャみたいだ
Entry37
天気予想図
ぶるぶる☆どっぐちゃん
行数(文字数)440
屋上に上り
恋文なんかを書いてみる
全くのパロディにしかならなくて
だから紙飛行機にもせず胸ポケットに仕舞う
屋上から見える空は
飽きもせず青空
昨日と今日の色を合わせたような
全くの青空
それは柔らかな曲線で描かれた
ぬいぐるみのような天気図とは全く違う代物で
高とか低とかおかしな記号が書かれている
あのドーナツみたいな天気図とは全く違う代物で
だから神様は
こんな所から空を眺める奴が居るなんて事を
全く予想してなかったと思う
神様はこんな青空があることさえ
全く知らないのだと思う
この青空の下で悩んだり殺し合ったりしてる奴らがいるなんて
全く知らないのだと思う
あたし達は全く見捨てられていて
全く忘れられていて
愛されてなんていないから
だから
だから誰にも愛されなくても
誰かを愛したりする事くらいは出来る
それくらいは出来るのだ
あたしは屋上の手摺りに乗っかって
次の一手を考える
このまま飛んでいったって良いし
少しだけ泣いてみるのも良いかも知れない
Entry38
冬のほうが日が短いのにねぇ(´ー`)旦
春九千
行数(文字数)2
冬でなく
秋の夜長とはこれ如何に?
Entry39
閉ざされた室内
深sachi
行数(文字数)13
冷たい風が吹き始めて
空気に溶ける水分が減る一方で
室内に残された湿気が窓ガラスを頼って密集し
外の景色が掠れてしまった
少しだけ残っている香水 色落ちしたジーンズ
読みかけの小説 もう聴くことのないCD
閉ざされた室内には
あなたしか思い浮かばない
それでも紅葉の美しさに気が付いて
天が高くなったことにも諦めがついたら
ちょっとだけ気持ちが楽になった
Entry40
D'ont worry !
3104-0091
行数(文字数)8
俺だって青を赤と言いたい
青を赤だと言って何になる
青が青であることには変わりない
赤が赤であることにも変わりない
疲れた
青を赤と言ってしまいたい
Entry41
ノヴァ
てこ
http://www1.ocn.ne.jp/~moonover/ MooN OVeR
行数(文字数)10
太陽が
爆発して
何も何も残らなかったけれど
消えてしまう前
名も知らなかった好きな子に
唇にそっとキスをされた
だから多分
僕は受け入れた
きっと僕らの生きた意味って
こんなところにあると思うから