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第226回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1髪の毛サヌキマオ278
2冬はつとめて日向さち208
3りよ125




 





詩人バトル読書会
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エントリ1  髪の毛    サヌキマオ


 部屋で髪の毛を拾っている。妻の毛は太く、娘の家は細い。すぐに見分けがつく
 つまみ上げては集めて重ね、拾いきったらゴミ袋に捨てる
 ゴミ袋は燃えるゴミの日に出され、あの遠くにぼんやり見える、白い煙突の元まで運ばれる
 隣の家の髪の毛も、
 多分幼稚園の先生が幼稚園の床に落とした髪の毛もヘアサロンの業務的に切られた頭髪の山も、
 床屋で刈られた坊主の髪も、
 みんな車に載って、あの白い煙突の下に運ばれる
 皆それぞれに髪はこぞりて、
 無いかのごとくに燃やされ、灰になり、気体に還され、あの白い煙突の先から吐き出されていく

 雲ひとつだになき青空を
 衆生の髪が覆っている





エントリ2  冬はつとめて    日向さち


晴れて特に冷え込んだ夜明け前
霜焼けができやすい体質でありながら
それを覚悟で車のハンドルを握る
骨まで悴むような手を温めるには
エアコンだけでは足りなくて
ときどき首や腿に触れて温もりを伝えつつ

残った雪のせいで
道路が凍結していることもあるし
フロントガラスは曇ってくるけれど
外の空気は乾燥して澄んでいて
人々が眠っているうちに
静謐な時間を体感していると思える

排気ガスを撒き散らしているくせに
そんな気持ちで
職場に訪れる朝へと向かう





エントリ3      りよ


輪になって大笑いするクラスメートに
気づかれないようにそっと加わる

皆がオレンジジュースを手に取る中で
僕だけ一人、いちごミルクをとる

行列に並ぶ彼女らに逆らって
ひっそりと輪から抜けていく

空気が変わる
それは美しいほどに 透明。

この世界が不純物なのは
僕のせい。