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第236回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1相棒日向さち617
2りよ92




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  相棒    日向さち


お前と買い物をしていて
レジ横のケースにメンチカツが並べられたのを見たら
あの時のことを思い出して、2つ買うことにした
車に乗ってから、お前に1つ渡すと
珍しいじゃん、ありがと、って食べ始めて
持ち帰ろうとしていた僕もつられて齧りついた

この世界に飛びこんだ当初、周りは年上だらけで
なのに、同い年のお前は
臆することもなく、やんちゃ全開だった
人見知りの僕は、そんなお前を頼りにしていたし
それでいて、何かとお前の世話を焼いていた

たくさんの人と出会った分、たくさんの別れも経験して
いつかお前もいなくなるのではと考えた時期があった
でも、慕っていた先輩が辞めて落ち込んでいたら
お前が、ずっとチームメイトでいよう、って言ってくれて
僕は、お前の大好物のメンチカツを2つ買って
一緒に駅前のベンチで食べてから
そのまま2人で、未来について語り合った
でかすぎる夢だけどね、って僕が笑うと
え、俺たちなら叶うだろ、って
お前が不思議そうな顔をしたのも覚えている
あの時はまだ小学生だったのに
あれから僕は、ずっとお前を信じ続けてきた

たくさん躓いて、乗り越えて
僕らは、あの頃の夢を現実のものにしている
一方、この先にある引退を意識する機会も出てきた
お互いを相棒と言っている僕らも
引退すれば、進む道が分かれることになるかもしれない

お前があの時のことを覚えていないとは思ったから
ごみを丸めながら
俺、昔めっちゃメンチカツ好きだったんだよな
って言ったお前に
うん、知ってる、とだけ返しておいた





エントリ2      りよ


無機質なビルの向こうに
真っ赤な空とか
水色の空とか
紫っぽい空とか。

それぞれの想いをのせて
染まっていく空が、
ビルの鏡面に跳ねかえって
地上を照らしていく。

一瞬一瞬が一度きりの、
儚い空の中で。