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私はいつの頃からか、ここを廻っている。 酸素を運び、栄養を運び、異物を排除し……。そして私は、この「世界」を動かす。 この「世界」は「鳥」という名だ。理由はわからない。ただその事実のみを私は知っている。その「鳥」の外がどうなっているのか、それは知らない。知ることが、見ることができないのだ。 私はずっとここを廻り続ける。 最近、ひどく疑問に思う。何のために廻るのか。「世界」を動かして一体何が起こるのか。 疑問に感じながらも廻る。「世界」の動きを止めてしまうのが恐いから。 いつまで廻るのか。ずっと孤独なのだろうか。 私は何も知らずに廻らなければならないのだろうか? ずっと永遠に? 「翼」という地域がある。この「世界」の中で、私があまり足を踏み入れない場所だ。行って何がどうなる、ということはないが、何となく嫌いな場所だった。 しかし今私は「翼」に向かっている。そこに行きたくて向かっているのか、自分にもわからない。体が勝手に動いているようにも思えるのだ。今まで私に意志なんてものが許されていたのかどうか、ということさえ不安になってきた。 私は一体何者なのだ? 気がつくと、すでに私は「翼」を含めた「全世界」を廻っていた。また、何もわからないままに。 廻る、廻る、わからない! 廻る廻る、わからない!! 廻る廻……何か聞こえる?…私の音ではない……私以外の一体誰が…… 「ほらほら、羽ばたけ、羽ばたけ」 ……どこかで聞いた音だ。いつだったか……? 「羽に力を込めて叩くんだ」 それともデジャビュ(既視感)なのだろうか? いや違う、もう少しで思い出せそうだ。私の心をここまで揺さぶるのは… 「やった! どうだい、初飛行は!」 あ、あっ…これは確か、風のリズム! 「空へようこそ。私は風だ。よろしく」 小鳥は風の中に飛び立ったのだ──そして私は全てを思い出した。風のリズムも、私のリズムも! 私は生き物全ての中を流れる、血だ! (急に視界が開けたような気分だ。)私のリズムは生の証、命の源。とても大事で素敵な仕事なのに、繁殖という枝分かれの中で、いつもそれを忘れてしまう。でもいつも、風や波や大地のリズムが、それを思い出させてくれる。皆、私のリズムが好きなのだ。 自然と、溢れ弾むようなリズム。それが、私のリズム。 私はいつまでもここを廻る。 このリズムで。 |