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第14回中高生1000字小説バトル Entry1
薄気味悪いオレンジ色の、重たい空。
ぐずぐずと朝日が昇ると、見計らったように月がビル群に消えた。
アイツら、俺と顔を合わせるのがよほど嫌らしい。
今日は久し振りに夢を見た。
高校の時フラレた女の夢。
朝から不機嫌もいい所だ。
昨日買ってきたばかりの缶コーヒーが、もう冷たくなってやがる!
「世の中、どうしてこうクズばかりなんだ」
部屋の片隅で、ゴミ箱代わりのバケツが呟いた。
ただ大口開けてじっとしてるだけのヤツに、社会の何がわかる!
「幸せになりたいか?」
机の上に散らばる紙クズが、俺に問う。
お前が幸せにしてくれるのか?俺を?勘弁してくれ。
お前は所詮何にも成る事の出来なかった、敗北者。バケツの餌に過ぎない。
「なりたいだろ?だったら、俺を握り締めろ」
うるせえ。
クシャッ。
「よし。ここから、一気にスリーポイントシュートだ」
ヒョイッ。
バスッ。
あっ。入った。
「ナイスシュート」
「ごちそうさま。相変わらずクズばっかだな」
部屋の隅から、二つの声が同時に聞こえてきた。
時計の針並みの騒音だ。
「人生ってのはそんなモンだよ。小手先の努力で指先程の幸せを手に入れる。その繰り返しだ。それでいいじゃねぇか」
無機物に説教された。
寝る。俺は寝る。
目覚まし時計を午後十時にセットした。たっぷり十二時間は眠れる。
今晩の月はちゃんと俺を見てくれるだろうか。
かけ布団の上に倒れこむ。
オヤスミ、しょぼい現実。
オハヨウ、かわいい夢。
ッピピピピピピピピピピッ…
ガバッ。
バチン。
ヒョイッ。
ガコッ。
きっかり十二時間後にセットされたはずのアナログ時計は、俺が倒れると、間髪入れず、そして情け容赦なく世界を揺るがした。
何故だ。一体何処で間違えた。
溶けかかった脳みそでは何も考えられない。
「相変わらずマヌケだよな、お前」
部屋の片隅へ放られた目覚ましが俺をあざ笑う。
もう嫌だ。
決めた。バイトする。
コイツら全員買い換えてやる。
とっくに止められたガスコンロを睨みつけると、ありったけの大股でゴミ共を飛び越した。
明日のためにその一。
ガチャリ。
ギー。
ッバタン。
部屋の主が見てもかなり怪しげな空気の漂う部屋に、久し振りにいい音が響いた。
外は思ったほど悪くない天気だ。
さて、これからどうするか。
そう言えば近所のコンビニに、最近にしては珍しい黒髪美人がバイトで入っていた気がする。
決まりだ。
途中、雑貨屋の窓に張り付いたくずかごと目覚まし時計を品定めしてから、俺はコンビニへ向かった。
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