第14回中高生1000字小説バトル Entry12
地球からは、宇宙がみえる。
背伸びをしてとどく高さでは、とうてい、無い。
「今日は、オリオンが主役だね。」
「うん、だけど、雲がすこし邪魔にかんじない?」
僕らは真っ赤なラヂオをもってここで宇宙をみている。
それは特別な約束でも、大切な行事でもない。
いつもの、日課。
「うん。だけど、それでも、みえないことは無いね。」
ラヂオのはなしは、もう聞き飽きている。
それでも僕らは、それをとめない。
とめられない?
とめたくない?
とまらない?
いいや、とめないだけ?
矛盾のきたないハ−モニ−。
「あ、雲でみえなくなっちゃった。」
きっと宇宙からじゃ、このほしは綺麗に観測出来ないんだ。
このほしにかかる靄が、それを遮ってしまうから。
アイのうたじゃ、靄は消えたりはしませんよ。
いつまでたってもラヂオは同じはなしだけ。
「あしたは、綺麗にみえるといいね。」
「そう、だね。」
それでも。やはり。
宇宙の光はまだ、僕らをてらしてくれる。
さあ、いいかげんにラヂオをとめにいかないと。