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第17回中高生1000字小説バトル Entry1
家に帰って、何気なく鏡を覗いた。ああ、今日も疲れた顔してるな。
ぼーっとそんな事を考えていると、鏡の中の私がにこっと微笑みかけてきた。
嘘・・・!?
みるみると鏡の中の私は姿を変えていく。私と同い年くらい、私にそっくりの、男の子だった。そしてなんと、鏡の中から出てきたのだ。にゅうっと。
「こんにちは」
やっぱりにこにこ笑いながら、彼はそう言った。私は、ただただ呆然としていた。
「あいさつもできないのかな? 僕の分身さん」
「分っ・・・!」
「ああごめん、間違えちゃった。分身は僕のほうだね」
・・・分身? 彼は、私の分身・・・。なんで鏡の中からこうも非科学的にでてくるの? しかもどうして男の子なの? 何をしにきたの? 何の為に出てきたの?
どうして・・・
私の質問を見透かしたかのように彼は言った。
「交代しない? 最近里香子、調子に乗りすぎだよ」
当たり前のように、発せられたセリフだった。
「なんで私の名前・・・」
「僕は君の分身だよ? つまり、僕もリカコ」
当然だろ、と苦笑している。
「いいかい? 僕は、君の中にある善意の固まりなんだ」
「善意・・・?」
「そう、善意」
「それじゃ、まるで・・・」
「君が、悪意の固まりなんだよ」
いきなり分身が私につめより、首をつかむと壁に叩きつけてきた。
「君が僕を作ったんだよ? ・・・昨日親友の小百合、泣いてたよね?」
「ちょ・・・苦しい・・・」
「幸子に言われたからだっけ? 小百合、成績いいから、幸子に目の敵にされてたよね。君は、一緒になって小百合をいじめたんだっけ」
「それは・・・っ!!」
事実だった。小百合を一緒になってシカトした。靴も隠した。
怖かった。
次にそのターゲットになるのが自分だと考えると、怖かった。
自分がターゲットになったあとに、小百合が私に味方してくれるとは限らない。
自分を守る為に、親友を犠牲にした。
「そのあと、君のなかには罪悪感が生まれたね? そういう罪悪感・・・君が小さいときから積み重なってきたものが、僕。女子の関係が嫌だったんだろ? だから君は自分の分身を男に作った。でもね、最近調子にのってるよね。・・・小百合は、僕にとっても親友だったんだ。泣かせて欲しくなかったんだよ」
苦しい・・・!
「だからさ? 交代しよう?」
目の前が、暗くなった。
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