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第18回中高生1000字小説バトル Entry1

 子供の頃は実はひどく心配性だったりする。つまらないことで悩んだりする。
「この世が全て虚像でみんなは俺を騙すための幻なんだ!」これは幼い頃からの杞憂だが、世の中が大体分かってきた今でもそう思う。あながち間違いではないだろう。もしかしたらこの世は幻かもしれない。俺たちは約80年かけて幻をみるのだ。幻が終われば・・・死。つまりそれは無と同じこと。うざったい世の中から解放される唯一の手段。どんなに頑張ったって、ゴールがみんな同じ。金持ちだって、カッコイイ奴だって、俺と同じ。あなたも・・・。昔、俺は無になろうとしたことがあった。
 「お前なんか産むんじゃなかった。」
俺を産んだ奴が最後に言った言葉だ。別にそいつが好きな訳ではないし、好かれたこともなかったけれど、俺は泣いた。泣き崩れた。やっぱり親子ってだけで愛情が存在するんだなって思った。それと同時に、もう俺にはその愛情が届かないんだって思った。もう、存在意義がなかった。だから、死んだんだ。
 「?」
「そうだよ、死んだよ。俺は無だよ。そしてここは君の人生のゴールだよ。
              待ってるよ・・・。」

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