第19回中高生1000字小説バトル Entry2
プカプカと浮いていた。
悲しかった?
嬉しかった?
わからない。
ただ、プカプカと浮いていた。
プカプカ
プカプカ
たまに
ユラユラ
目を覚ますと布団の中。
プカプカとユラユラはどこかに消えていた。
「……プカプカユラユラ」
言葉にすると妙に可愛い。
「ヨウスケ! 早く、起きなさい!」
一階からは母の声が聞こえてきて。
パジャマのままで降りていく。
トントン
トントン
最後のニ・三段から床にダイブ。
ドスン
「床が抜けるわ」
母の声がする。
クスクス笑ってる。
台所に顔出して、フライパンを朝から振り回す母を見る。
「おはよう」
「おはよう」
ニッコリ笑って。
その間もフライパンを動かす手は止まらない。
ジュッジュッ
ジュッジュッ
美味しそうな匂いと音が僕に届く。
グーグー
グーグー
お腹がなって母に舌を出して笑ったら。
お皿に朝ご飯が出来てきた。
パン
音をたてて手を合わせたら。
「いただきます」
モグモグ
モグモグ
食べ終わったらもう一度。
音をたてて手を合わしたら。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」
二階に上がって学校に行く用意をする。
ドタバタ
ドタバタ
用意をしていたら時間がなくなって。
階段をもうスピードで駆け下りる。
ダダダダ
ダダダダ
「忘れ物はない?」
母の言葉に返事も出来ず。
バン
ドン
「いってきます」
ドアが閉まって後ろを降り返える事もせず。
大声で叫んだ。
「いってらっしゃい」
母が僕に負けない大声で送り出してくれた。
走りながら今日見た夢を思い出す。
プカプカ
ユラユラ
プカプカ
ユラユラ
プカプカ
ユラユラ
お母さん。
お母さん。
お母さんのお腹には僕の妹か弟がいる。
プカプカ
ユラユラ
揺られながら。
プカプカ
ユラユラ
水の中。
プカプカ
ユラユラ
早く出ておいで。
ウギャ―
ウギャー
声上げた新しい命。
「はじめまして」
ウギャー
ウギャー
「楽しく行こうね」
ウギャー
ウギャー
楽しくやれそうだよ。