第20回中高生1000字小説バトル Entry9
神さまはボクに試練を与えてくださってるんだ。
これを乗り越えたらボクはきっと幸せになれるんだよ。
きっと誰より幸せになれるんだ。
だからボクは毎日辛抱しているよ。
最初は怖くてたまらなかった白い服の人間たち(ボクを見ても目が笑わないんだ)のことだって、もう慣れちゃった。
だけど、今でも檻から出されて、怖い部屋に連れて行かれて痛い目に遭わされるんだって思うと、ボクはぎゅっと固まっちゃうんだ。
だけど、きっと神さまはこれを乗り越えたボクに一番の幸せをくれると思うから、ボクはどれだけでも辛抱できるよ。
もしかしたら、あの白い服を着た人間が神さまかもしれないね。ボクがどれだけ我慢強くて幸せになるのに適した犬か試してるんだ。
だからボクは我慢するよ。白い服の人間に足を折られたって、切られたって、歩けなくさせられたって。
まわりには幸せになれる候補の犬が他にもいるけど、みんなボクほど我慢強くはないんだ。試練に耐え切れなくて死んじゃった犬もいる。でも、ボクは負けないぞ!
白い人間たちはボクらのことを「ジッケンドウブツ」なんて呼んで、食べるものもろくにくれないし(ボクはまだ食べ盛りの子供だぞ!)痛いところだってほったらかし。知ってる?傷を放っておくとそこから虫が生まれるんだ。おかげで痒くて痛くて仕方ないよ。ところで、「ジッケンドウブツ」ってどういう意味なんだろう?幸せになれる犬のことかな?そうしたら、ボクは一番の、とびっきりの「ジッケンドウブツ」になってやる!
だけど、ボクはもうずっとここで神様の試練に耐えてるのに、ちっとも幸せはやってこないんだ。それどころか、どんどん不幸になっているみたいだよ。もしかしたらボクはこのまま死んじゃうかもしれない・・・・怖いよ、痛いよ。誰か助けてよー・・・。
そうしたら、やっとボクに幸せがやってきたんだ!ボクが冷たいおりの中で眠っていたら、きらきらひかる幸せそうなものが僕のところに来たんだよ。それでね、ボクに向かってにこっと笑ってくれたんだ。ボクの心の中がすっごく幸せな気持ちでいっぱいになったんだ。きらきらひかる幸せそうなものが、ボクを明るい光で包んだら、ボクの体中の傷や痛いところが全部治っちゃったんだよ!
ボクはやっと幸せになれるんだ!誰よりも一番幸せになれるんだ!!