第21回中高生1000字小説バトル Entry4
朝起きると、食堂のテーブルに「カレーパン」が乗っていた。
いや、「カレーパンらしき物」と言った方が良いだろうか。
普通カレーパンというのはカレーがパンに包まれたもので、パンをカレーが包んだものではない。
しかし、今僕の目の前にぽんっと出されたのは、明らかに後者であった。
これはカレーパンと呼んでいいのだろうか?それとも、パンカレーと呼んだ方がこの意味不明な物体の格好に相応しいのだろうか?僕は、このひたすら意味不明な食べ物へ次第に憤りを感じるようになってきた。人間常識と著しく外れた物を見ると怒りの感情を抱く物だ。
だが、文句を言おうにも共働きに出ている我が家ではこの怒りをぶつける相手がいない。
気が付いて時計を見てみると、始業ぎりぎりだった。僕は鞄を引っ掴むと、学校へと走り出した。
心なしか道の様子が変わっているような気がした。……どこか違う。目のどこかに風景がこびり付くような、脳に刻み込まれた記憶に狂いを生じさせるような。
近所の家を覗くと、いつも鎖に繋がれていたレトリバーが居なくなっていた。その代わりに、金属を引っ掻くような甲高い鳴き声がした。
おかしい。何かがおかしい。日常という四角いブロックを積んでいる時、突如として差し出された
異形のブロック。四次元のように決まった形を持たないそのブロックは、時としてその存在すらを気付かせない。
始業には何とか間に合った。落書きだらけの机に腰掛けると、丁度チャイムが鳴った。
そう言えばこの教室に入る時も違和感、いや、不快感と言えばいいのだろうか。変な感覚を
覚えた。走るのに夢中で気付かなかったが……。
僕は改めて辺りを見回した。骨が皮を包む姿が有った。