第21回中高生1000字小説バトル Entry6
彼女を見つけたのは本当に偶然だった。仕事の下見に来た盗賊の若頭であるオレは、村の泉であいつを見つけたんだ。チビで童顔で、女の色気なんて持ち合わせていないようなガキ。……でも、綺麗な瞳をしていた。
強い意志と、想いを秘めた美しい瞳。今思えば、その瞳に捕らわれたのが全ての始まりだった。
手に入れたい。
そう、思った。
訳の分からないような独占欲がオレの中で渦巻き、押さえつけられない感情があふれ出す。
あいつを手に入れるには、どうしたらいいんだろうか?
考えて、思い付く。あいつがあいつの意志で、オレから離れることのない方法を。
そして、それからすぐにオレはあいつの村を襲わせた。あいつだけが、生き残るように仕向けて。
血や泥にまみれながら、あいつの瞳は輝きを失ってはいなかった。オレを睨み付け、決して屈服しないと訴えていた。
「オレが、憎いか?」
「……憎い、憎いに決まってるだろ!」
彼女はそう吐き捨てるように言った。
その瞬間、オレの企みは成功したのだ。
そのあとオレはあいつを砦へと連れて行き、そして、側に置いた。あいつを束縛することもなく、あいつがいつでも逃げることの出来るように。
でも、あいつは逃げなかった。オレを殺すまでは逃げないと言ったのだ。
……つい、笑いが零れた。
成功した、と。
オレを、憎め。
オレ以外その瞳に映さないように。オレ以外の奴のことなんか考えられなくなるほど、憎め。
一生復讐に燃えろ。一生オレの命を狙い続けろ。
その思いが憎しみでもかまわないから、愛でなくてもいいからオレを思い続けろ。
他の物など、目に入らないくらい。
オレを殺し、オレがこの世からいなくなるその時まで。
オレだけを思い続けるんだ。
オレだけを……。
……。
……。
屈折した思いだとは分かっている。
でも……オレは……オレは、お前を愛しているから。