第21回中高生1000字小説バトル Entry7
「あんなコト言うんじゃなかったなぁ……」
今更ながらに頭を抱えこむ。
目の前には問題集の山。横には今日の所に
「テスト!絶っ対勝つ!うぉりゃーっ」
と太い赤ペンでぐりぐり書きなぐられたカレンダー。
「げ、来週テストじゃん」
「俺今回ちょっと頑張ってんだ!佐藤にも勝てるかもよ!」
「万年Bクラスの癖に調子のるなっつーの」
「なッ!俺だって勉強したらAクラスぐらい―」
「ぐらい?そーゆーコト言える程、お前頭よかったっけ?」
ムカついたんだ。いっつも俺よりも頭良くって、いっつも
バカにされて。だから、つい
「次のテスト、絶対勝ってみせるから!」
って言っちゃって……でもよく考えてみたら、たかが
何日間か猛勉強したからって佐藤に追いつける、や、
追い越せる筈なんてないのに……
「わ、もう時間じゃん!あーもー知らねっ」
半ばやけくそになりながら家を出た。
「あ。」
そういえば今日は妹の誕生日。塾終わってからだったら
店閉まっちゃうし……俺は急ぎ足で近所の店へ向かった。
着いた先は雑貨店。平日の夕方だから人も少ない。
女のコって何買ってあげたらいいんだろ?妥当に文房具かなぁ?
と考えていると、ふと、目が合った。
「さすがにコレはなぁ……」
それは真っ白でまんまるくて、手を横に、足は前にのばして
赤いリボンのついたうさぎの人形。中2の男が買える物じゃないよなぁ、
と思いながらもなぜか目が離せなくって……
くりっとしたで、口はちょっと目にこっとしてて。そう、まるで
「ガンバレ」
と言われてるようで。
『頑張るけど……佐藤に勝てるわけない。Aクラスだって
競争率すごく高いし……』
答えが返って来る筈はないけど、何やってるんだ?俺、と
思いながらも心の中でつぶやいてみる。
そしたら
「ヤッテミナキャワカンナイジャン?」
って顔で見てくるから―
「すみません、コレプレゼントでお願いします」
店を出て歩いていると佐藤がいた。うぁ、単語帳開きながら。
「よ、佐藤っ」
「あ……どう?Bクラスとはおさらばできそうかよ?」
ムカ。
「まあね」
「ヤッテミナキャワカンナイジャン?」