暗闇、リノリウム、姿見そこに君の姿を見た蛍光灯に照らされているここに来たって無駄だってわかっているわかっているともカビの生えたパンを片付け窓を開け、窓際の君の椅子昨日の喧騒と打って変わって部屋には何も起きない頬をひんやりとした机に風が冷え切った風が吹く向こうのコンクリートに罅立ち上がって変動の治まった静かな部屋部屋に何かをと君の椅子を引いてきたそこが昔みたいにカラのままだったら僕は君と出会うだろうしかし亡霊として
わたしは凧をあげる凧はわたしにあげられているわたしは凧から飛び出した一本の糸を握っている凧は自分から飛び出した一本の糸をわたしに握られているわたしは凧を風に乗せてより高い所まで飛べるようにわたしの手に握られている糸を引っ張ったり力を加減したりしながら角度を変えてやる凧はその身に風を受けながら自らの高度を一本の糸とわたしの手に委ねているわたしには凧が受けている風の強さは実感できない凧には自分が飛んでいる姿は実視できないわたしは凧を引っ張りそして凧に引っ張られる凧はわたしに引っ張られそしてわたしを引っ張るわたしと凧をつなぎとめているものは一本の糸だけ凧は風に乗りそしてわたしの手の力の加減により高くへとあがっていく糸はどんどん伸びていき凧とわたしとの距離もどんどん長くなっていくそしてわたしには凧が見えなくなってしまうけれど糸の引っ張られる力を感じる事で確かにわたしと凧はつながれていることはわかるさらに風に乗り凧はより高くまであがるわたしには凧が感じている高さは実感できないが想像をして満足する凧にはわからなくなるその高度まであがることができたのは風とわたしのおかげだという事をさらに風に乗り凧はさらに高くまであがるついに私と凧をつなぐ糸はその長さに限界を見せる わたしは糸をはなすそしてわたしと凧は自由を手にした
最近君と目が合うなぁって一人ニヤけ顔を教科書で隠した妄想系なあたしキモいねでも君を想うと幸せになるの空は曇ってばかり雨は降りません湿気バリバリ髪の毛モサモサうざいねでもあたし今日も元気に青春してるの恋です愛ですあたし変です日焼けにローション君にはモーションせっせと働くあたし冬でも夏娘なの激しいアタック覚悟しといてモヒカンチックな髪形好きよちょび髭生やした顎も好きよユーモア溢れる動きが好きよ変顔しちゃった君が好きよ他の子見てる君も好きよ大丈夫です怒ってないよあたし元々暴力的なの君が好きです大好きなんです今日も明日も明後日もさぁあたしの出番はこれから絶対君をふりむかせるから真夏の抱擁君にタックル覚悟しといて『君が好きです!!!』
長い時代の約束がありました。僕はそれを忘れることが出来ません。きっとあの人たちはまたここに帰ってくるでしょう。そして僕はまた向こうに行くでしょう。(7.14)
深い 深い 不快 真っ白な ココは何処ですか何処までも 深く 深く 不覚 続く この白は何処で終わるのですか白い 白い 白い 白い 白い僕の目は壊れてしまったんですか人が 人が 人が 人が 人がたくさん 目の前を 過ぎるのに僕はどうやら見えないようですそれとも 僕が見えていないの かしら通り抜けてゆくのですどんどん どんどん どんどん吸い込まれてゆくのですすぅー すぅー すぅーきっとそこは素敵なのでしょう僕も行きたいけれど 行きたいけれど 行きたいけれど道を忘れました切符をなくしてしまいましたスクランブル交差点の真ん中真っ白な闇に包まれてえぇ、そうなんです音も聞こえて いないです いないです いないですよ何も 聞こえない 聞こえない 聴こえない ココには誰の声も 届かない 届かない 届かない 届かない誰かが 送ってくれてるのか 知らないですけどだけど 送って下さい 圏外ですか だけど 送って下さい僕のこと 知っている人なんか いないと思うですよ いないですよあぁ あなたは 知っていましたか知っている人がいるって いい ですね僕の声が聞こえるって いい ですねあなたの声は 残念 聞こえないですよ 残念でも 伝わるですよ 伝わるですよ 伝わるですよ白い 白い 白い 白い 白い何もない ココ 僕もいないの かもあなたの声 微かに 揺れて さらさら流れてくるですよ聞き取れない けれど周波数に乗って やってくるですよこの真っ白な ココ 僕へ 僕の中へ通り抜けて消えてゆくですよそのとき あったかい感じがするですよ
半年振りに会う「最近どう?」ととりあえずたずねてみるでも そんなこと聞かなくても顔みるだけですぐわかるいつものことばを交わしいつものように手をつなぎいつもの場所で愛紡ぎいつものお店で乾杯ねあんたのすきなものを忘れてはいないそれは あんたも同じずっと この瞬間をずっと ずっといつもの ください
嫉妬はまるで 逆巻く 焔想いは時に 狂気と 凶器ほむらに呑まれ灼かれゆくいずれは溶けて消えるのか熱に溶けて 消えるのか
握り締めた その手をもう少しだけ このままでもしかしたらこの手から何か 伝わるかもしれない握り返してくれなくてもいい振りほどかずにいてくれるなら言葉にするには重過ぎて態度にするには複雑でだからこの想いどうか感じて
綺麗な音を鳴らすことが出来なくて器用な貴女に笑われたけれど頼りないこの音が、いつも私を支えてくれたいつのまにか身に付いた うまく生きる術よりも畦道に立つと思い出す夏空の下で私の頭をなでた、つよくて温かい手いまも貴女のように強くなれずにいて泣くことも叫ぶこともできないけれど少しだけ、大切な人の存在に気づくことができました。だから、貴女が一番望んだことを、明日から、少しずつしようと思います。貴女が出会えなかった私に、少しずつ近づいていこうと思います。貴女がいる空の下で、私は今を生きていく。
赤く燃える林檎飴 片手に持って優しく笑うママの腕 片手に持って燈籠の並び賑わって 小さな笑顔が踊るねぇママはどこ? 迷えるこの子が鳴いているねぇママはどこ? 鳴いて流す涙が祇園に消えねぇママはどこにいるの? 見目形は浮かぶのに空へ高く消える 花火と紙風船手を伸ばし そよぐ風の向こうで見つめてる忘れたあの日の絶望を この子に見せたくはない綺麗な扇子をじっと見て 片手に持ってよかったねと呟くママへ笑顔 片手に持った手 暖かく祇園坂をこの子と歩く今宵寒々とした夜の風が包む手を伸ばし 三日月をママに見せたかったのに鈍く光るあの日の凄惨を この子に見せたくはない祇園が賑わう 浴衣の群れ 赤や白や黄色や緑この子と繋ぐ手は暖かくてもそよぐ風もない無口な彼女は石畳の下…
※作者付記: テーマは、祇園、京都、祭り。イメージは、暗く、どす黒い赤。主人公は、親子でもいいですし、母親でもいいですし、子供でもいいです。僕のイメージを言ってしまえばそうとしかとられなくなりがちだと思うので、言いませんけれど、読んでくださった方々は好きなようにイメージしてくれれば幸いです。拙い文章力ですが、多方面から読めるよう尽くしました。
答えは至極簡単で 君と同じ世界にいる それだけ
お願いやめて・・・哀願する私ガマン我慢!ヤツはそう言って無理矢理押し込んだ。激痛が体を貫く。私の上で激しく腰を振る・・・・アレ以来私は子供がデきなイ。産むべきはずの命はヤツにコロされた
※作者付記: 悲しイですね・・・