絵本の登場人物は いつも笑っていた主人公でなければ友達や 家族も 設定されやしない詳細が存在しない世界で生きているそれでも 良い人なんて言う曖昧な箱の中いつも 笑ってた僕は 独りなんだって気付いてなさそうな顔で精一杯 遊んでる君は 全部 決まっているじゃないか目で話しかけられる 昼下がり私は 幸せなのかもしれない
いきたいですあなたのいる世界へいきたいですあなたのいる世界でいきたいですあなたの傍へいきたいですあなたの傍でいきたいですあなたと一緒にいきたいですそれが私の願い
わたしは夫に捨てられたのです 夫にとってそれがどんなものであったのか 別れてから私にもよく分かるようになった どんなことがあっても夫を愛し 二人の生活を大切にして生きていく と私は思っていた それなのに 私は思いもかけず 他の人と素っ裸で寝てしまった わたしって、なんだろう?
ひとりには広すぎて ひとりでは長すぎて二人では足りない一たす一が二にならない足し算はかなしい月のようにみちたりることを忘れた減点方式の日々のなか感じることのできる幸せはどんな形をしているのか「いつが一番幸せなんだ」という問いに「満月だよ」とあんたが答えたら明日は窓を黒くぬりつぶそう今日は宵待ち月だ明日であんたはみちたりる羨ましいね黙ったままでいられると殺してしまいたくなるよ流れ行く日々のなかみちたりることのない俺は二ひく一が一にならない引き算をいつまでも繰り返してる
あの日私が手渡した手紙は私のほんとうの気持ですあなたの目の前から突然姿を消したとしてもあの手紙には ひとつの偽りもなかったのですあなたにすべてを委ねなかったのは読みすてられてしまうのが悲しかったから私の想いを反古にされてしまうのが悲しかったからあなたのまえで笑顔でいることが不器用な私の精一杯の愛情表現でしたあなたに届かなくてもあなたの心に響かなくても
※作者付記: なにひとつ伝えられなかった想いを言葉にかえて今は遠いあなたに届くように
喧騒の校庭長い通学路夕日の公園告白の砂場照れ笑いのベンチくやし涙のブランコ孤独な部屋焦りのベッド云い訳のメール其のどれもに君の影
夢は君を 紅に染めて愛は僕を 暗に染める漆黒の闇に満ちた心で奏でるは 君の名前闇は 光を求め光は 闇を抱いた僕が闇なら君は光闇は光を求める運命君は強く暖かな 光僕は優しく諭す 闇闇と光が 空に交わる・・・。
何気ない日常を綴ろうと買って帰った大学ノート書くような事は何もなく鉛筆の尻で耳の裏を掻く今日の事を思い起そうと必死に脳を巡る血液の音思い浮ぶのは夕飯の食卓つい三十分ほど前の一幕回路が麻痺した記録機能無かったことと同じ昨日記憶も意識も殆どが壊死最初の頁に書き込む事は決って最後に覚えた言葉いつも同じ事の繰り返し