「「いっただきまーす♪」」 二人そろって食べたミカンゼリーは紛れもなく美味しかったし、 心配することなんてカロリーぐらいだったはずだった。 が 『ピシィッ』 擬音で表現するならこれ以外無い。 そんな衝撃が私の腹部を襲った。 コレは、 と思いつつ徐々に体を前かがみにしてお腹の防御力を上げると。 目の前に同じ体勢のダンゴ虫が1人。 「え、そっちも?」 「ちょっとー、さっきのゼリーじゃない? 超やばいんですけど。」 「えー、うわぁ、先週で期限切れとか…。」 「ないわー、ホントないわー。」 「あ、ダメ、もう無理。ト、トイレ」 「まて!」 「すぐ出るって!ホントもう無理だから!」 「行かせるかぁ!」 若干の余裕があった私に腹部を押さえられると、顔面を蒼白にさせ口をパクパクしている。 相当波が来ているようだ。 奴が全身をガクガク震わせ、生まれたての小鹿のようになっている隙に脇をすり抜けようとしたが、 一歩踏み込んだところで私にビッグウェーブが来た。さっきのタックルの反動だろう。 この波を乗りこなすのに必死で身動きが取れなくなった私に覆いかぶさるように小鹿が倒れこんできた。 「ど、どいて」 涙ながらに懇願するが、小鹿に人の言葉は届かなかったようでガクガクと震えるばかりである。 振動はこちらにまで伝わってきて大波と小波で激しく私を攻めたてる。 私は波にあわせるように体を揺すり振動を相殺し、徐々に体を落ち着かせていく。 「っ!ふぅー。はぁはぁ」 何とか胃袋を従わせるとようやく自分の脚で立ち上がることができた小鹿と目が合った。 「せぇいっ!」 「ぬぉうっ!」 『がしっ!』 ドアの前で組み合う二人 「ふぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ。」 「にぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ。」 『ぎゅるるるるるるるるるるる』 「「あふぅっ!」」 胃袋に仲裁された私たちはある程度冷静さを取り戻した。 「オーケー落ち着こうじゃないか。」 「異議なし。落ち着いている今しかない。」 「問題は我が家にトイレが1つしかないことだ解るな?」 「議論は無駄だ。譲歩しよう、5分で出てくるなら先に譲ろう。」 「いいのか?」 「言ってる暇はない」 二人とも無駄に男らしかったがつっこむ人はいなかった。 そろりそろり急ぎつつもゆっくりとトイレまで来る。 「鍵がかけられんようドアは開けてしてもらう、それ以上は認めん。」 「よし。」 『ガチャっガチャっ』 「「!?」」 「入ってるよー。」 「「っっっクソ親父!」」 二人は弾丸のごとくお隣へ駆け込んだ。
※作者付記:都内で問題なく生存報告。 暗い話を書きたくなかったのでこんな話になってしまいましたが、 少しでも笑える時間ができたらと思います。 被災地で亡くなられた方の御冥福をお祈りします。
「おおっ、この大陸には原住民がいるのか! おい、お前!」 「?」 「お前、お前だ、来い!」 「???(何だ、こいつ?)」 「おい、お前、名前は?」 「×××カンガルー(何言ってんのか分かんねーよ)」 「こーとーばー、わーかーりーまーすーかー!?」 「××カンガルー(何言いたいのか分からないな)」 「通じないようだな……水と食糧がないか? 水! 水筒のこれ! しょっぱくないヤツ!」 「カンガルー、×××××、カンガルー(分かんねーなぁ。水を見せてどうするってんだ? 手を洗いたい? 飲みたい? あー、どうも分かんねえ)」 「だったら、お前の村に案内しろ。中には一人ぐらい話の通じるヤツがいるかも知れない」 「××××カンガルー×××××(付いて来る気か? まあ、長老に会わせてみるか。変な武器とか持ってないだろうな……まあ、実際のとこ隠し持たれた分からないけど、数も少ないから平気か)」 「むっ! なんだあの生き物は! 初めて見るぞ、お前、知ってるか!?」 「×××カンガルー×××(だから、お前の言う事分かんねえっつーのに、学習能力とかないんかい!)」 「なるほど! あれはカンガルーという生き物なのか! 分かった、分かったぞ、アレがカンガルーだな? な? あれ、カンガルー、OK? ハハハ! カンガルー、カンガルー、分かったぞ、見ろよ、あのヘンテコな動き方!」 「×××カンガルー×××(なんで今回に限ってカンガルーって単語拾ってんだよ!)!」