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第29回1000字小説バトル Entry25

顔

「お前ってデビルマンみたいな顔してるよな?」
「なんだよいきなり」
「でも顔の形はドングリっぽい」
「……」
「まぁいいじゃん、おもしろい顔してるから」
「そういうお前だって……」
「なに?」
「う〜ん……」
「なにさ?」
「いや、お前って例えようのない顔してるよな?」
「うん、誰かに似てるとか言われたこと無いもん」
「でも女装したらかわいくなりそう」
「やめろよ、気持ち悪い!」
「悪い悪い、それはともかく、今まで一回も誰かに似てるって言われたことないの?」
「……ないなぁ」
「……ないかぁ」

「しっかしデビルマンだよなぁ」
「それはもういいっての、それよりお前の顔を分析しようぜ」
「え〜、いいよ〜。お前の顔が濃いってだけでもう十分だよ」
「だーかーらー! 俺の顔はもういいの!」
「はいはい、それで?」
「とりあえず、これといった特徴はない」
「うんうん、それで?」
「中性的、人類のど真ん中って感じ」
「なんだそりゃ?」
「かわいくもあり、かっこよくもあり……」
「ほうほう」
「……」
「おしまい?」
「……うん」
「分析にもなんにもなってないじゃん!」
「仕方ないだろ、普通の顔なんだから!」

「なんか疲れた」
「俺も」

「普通ねぇ……」
「嫌なの?」
「別に」
「じゃあいいじゃん」
「うん」
「整形でもしたら?」
「やだ、お前がしろよ」
「しよっかな、お前みたいな顔に……」
「やめろよ、冗談だろ?」
「冗談」
「でも、そうしたらお前と似てるやつが出現することになるぜ?」
「でもでも、お前だろ? 勘弁してくれよ」
「この顔好きじゃないしなぁ……」
「俺がその顔だったら凹むな」
「そういうことハッキリ言うなよ、俺が凹むだろ」

「まぁ、自分らしいのが一番!」
「そういうことか?」
「うん、お前の顔はおもしろいってことで、もう寝る」
「そうだな、お前の顔は特徴なしってことで、寝るか」

「なにそれ? 喧嘩売ってんの?」
「お前だろ! おもしろいだのデビルマンだの!」

「オシッ、やってやるよ! 来いやデビルマン!」

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