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第32回1000字小説バトル Entry5

ヒューマンポリティクス

大統領は頭を抱えていた。世界食料問題会議で各国から多大なバッシングを受けたからだ。
「君の国は景気いいじゃない、もっと出せよ、金を」
「人的援助がないとだめだねえ、君の国は軍とかNGOとか技術者とか売春婦とかいろいろ出せるんじゃないの?」
「いっそのこと飢える国を、君の国の植民地として認めるから、後のことよろしく頼んますわ」
 みんなムチャいうよ、本国にもっどた大統領は、自分の官邸で途方にくれていた。テメエの国の不紳士な食糧問題への取り組みを棚にあげといて、いざとなるとたまたま好景気の我が国を突っつく。私だってね、そりゃ世界の食糧危機は前向きに解決していきたいと思っているよ、でもさあ、みんな人まかせじゃん。おれまかせじゃん。私だってこの国の様様な問題に取り組んでいるんだ・・・・。大統領はますます濃い苦悩の顔を浮かべた。
 その時官邸室のドアをノックして、大統領補佐官が入ってきた。
「失礼します、大統領が会議に出席なされてる間に、我が国でも様様な問題が発生しております。その対処方法を伺いに参りました。」
「おお、そうか。述べよ」
「まず、株価がガックンと落ちました。大統領が会議で情けない顔でテレビに映った瞬間からです。それを受けて、全国の第三国系の労働者がストライキやデモを始めました。街は大混乱です。
 マジかよ、大統領は手で顔を覆った。
「あ、あと西部の学校で銃の乱射事件が発生しました」
「だからどうした」
「大統領のご子息が通っている学校です」
 大統領は机に突っ伏した。畜生、要するにすぐに食料を送ってやればいいんだろう? すぐに食料を送れる方法、方法・・・・そのとき大統領の頭の中で繋がってはいけない配線が繋がった。
「おい、補佐官。ピザを送ってやれ」
「は?」
「核ミサイルにピザをくくりつけて発射してやれ。すぐに着くし、ピザも核ミサイルもわんさかあるぞ。わっはっは」
30分後、補佐官が官邸室に入ってきた。
「ピザも核ミサイルも、無事相手に届きました」

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