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第33回1000字小説バトル Entry12

ピクルス

 僕は食べ物の中だとハンバーガーが大好きで、でもママはあんまり体に良くないからってあんまりハンバーガーを食べさせてくれない。
 僕はハンバーガーが大好きだけど、ハンバーガーにはピクルスっていうのが入ってるときがよくある。だいたいがそうだ。
 そういうとき僕はピクルスは食べないで最初にハンバーガーから出す。
 理由はピクルスが嫌いだからだ。まだ食べたことないけど。
 でも僕がピクルスを出すとママは怒る。そして僕がハンバーガーから出したピクルスをおいしいって食べる。ママはおかしい。
 ハンバーガーみたいな大好きなものにもピクルスが入ってて、だから大人はハンバーガーを食べるためにはピクルスが嫌いでも一緒に食べなきゃいけないんだ。
 それは人生みたいなものなんだと思う。よくわからないけど。
 そして、ピクルスが好きなママみたいな人がいるのもたしかなことだ。そういう人の人生はまたちょっと複雑なのかもしれない。
 もしかしたら、ピクルスを食べたくてハンバーガーを食べる人もいるんだろうか。そんなのやだなぁ。でもそんな人がいないとは限らない。だって世の中は広いから色んな人がいるからだ。
 それを教えてくれたのはパパだった。夜にパパとママと3人で寝るときにパパはそれを教えてくれた。
 パパは「世の中にはいろんな人がいるんだ。だから色んな人と会って友達になるといいぞ」って言った。
 僕はそうしようって思った。それからパパは「でも結婚の相手だけは、よく選ばなきゃダメだぞ。じゃないとパパみたいになっちゃうんだ」って小さな声で言って笑った。
 そしたらすぐにママの枕がパパの顔に飛んでった。
 僕はそれがすごく面白くてずっと笑ってた。もちろん本当はパパとママがすごく仲良しだって知ってたからだ。
 僕は食べ物ではハンバーガーが好きだけど、人ならもちろんパパとママが一番好きだ。
 世の中には色んな人がいる。そして色んなことがある。
 だから、パパとママが離婚するってなったときも、そういうこともあるんだろうって思った。世の中が広いせいだ。
 パパもママも本当は仲良しだって知ってるから、別に泣いたりしなかった。僕はそんなに子供じゃない。
 僕はハンバーガーが好きだから、今日からはピクルスを抜かないで食べた。
 ピクルスは思ったより苦くなくて、食べてしまえばこんなものかって思った。
 でもなんでか涙が出た。人生には苦いピクルスもあると思った。

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