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第33回1000字小説バトル Entry23

矛盾?

 少年は羊の毛皮を売るために、隣町の大きな市場へ行きました。とても活気のある市場です。その中でも一際目立つ太っちょ商人が、大きくて甲高い声で盾を売っていました。
「さあさあ、この盾を御覧あれ。そこらへんの盾とは全然違う。どんなに鋭い槍だって軽〜く跳ね返す、この世で最高の盾だ!」
と売り文句。すると、隣に居た筋肉ムキムキ商人が血相を変えてこう言いました。
「最高の盾だと?笑わせるな!俺様が売っているこの槍は、どんなに頑丈な盾だって糸も簡単に突き通す最強の槍だ!」
二人の商人は、おでこを突き合わせて睨み合い。あっという間にたくさんの野次馬が集まりました。すると、野次馬の一人が言いました。
「その最強の槍で最高の盾を突いたらどうなるんだ?」
二人の商人は、それならばと槍で盾を一突き!するとどうでしょう。槍は木の枝の様にポッキリと折れてしまいました。ムキムキ商人は、そんな馬鹿な!という顔。太っちょ商人は、俺様が一番だと言わんばかりに得意気に笑っています。ムキムキ商人は慌てて店をたたんで町の外へ逃げてしまいました。周りに居た野次馬達は我先にと、最高の盾を買いました。盾はあっという間に完売。太っちょ商人は、うれしそうに町を後にしました・・・。
 毛皮を売り終えた少年は、村へ帰る途中に、あの二人の商人が一緒に歩いているのを見かけました。
「今日はボロ儲けだったな!」
と太っちょ商人。
「明日は別の町へ行こう。今度は槍をたくさん売るぞ!」
とムキムキ商人。なんと、二人の商人はグルだったのです!

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