第34回1000字小説バトル Entry17
「面白いものが釣れました」
そういいながら父さんは近所の浜辺から帰ってました。
「ねえ、父さん何が釣れたの?」
父さんは何も聴こえなかったようです。ですから、僕のことなどまるでしらんぷりで台所へ向かってしまいましたた。
「あら、あなた今日は何が釣れたの?」
「今日はとても面白いものが釣れました」
「何が釣れたの?マグロ?鰹?それとも・・・アワビ?」
「それはマイナーすぎますね。ただあなたが食べたいだけでしょう?」
「ねえ、父さん何が釣れたの?」
今度は僕が聞いてみました。すると、お父さんは笑いながら言うのです。
「たか君、本当に面白いものが釣れたんだよ。ああ、今すぐにでも見せたい。で もだめです。これは夜ご飯までのお楽しみにしましょう」
「あら、今日はずいぶん持ち上げるわね?どんなににいいものがつれたのかしら」
僕は知りたくてたまりません。だからお父さんが話しているうちにこっそりクーラーボックスを開けてしまおうと考えました。
ピンポーン
そのチャイムは僕の邪魔をしました。
「たか君、隣の部屋で時間をつぶしていて下さい。時間になったら呼びますか ら。ほら、お母さん、宅配便屋さんが来ましたよ。判子と印鑑と・・・」
外はそろそろお月様やお星様がやさしく光りだす頃です。僕は退屈です。
ガラララ・・・
襖を開けて、母さんが入ってきました
「ホタテよ。それも10個も。今度ホタテ祭りやりましょう」
「ふーん。よかったね」
「なによー。もっと喜びなさいよー」
「やったー」
僕はそんなことよりお父さんの釣ったものの方が気になりました。
夜ご飯ができたのは7:00ちょうどでした。テーブルの上にはきれいにもりつけられた刺身でいっぱいで、母さんを喜ばすための小細工として用意したものだとすぐわかりました。
「ごちそうさまでした。」
母さんは新鮮?マグロを胃に収めてとても満足そうでした。でも、僕はそうはいきません。
「父さん。面白いものって何?」
「マグロじゃないの?」
「そうですね。そろそろ頃合でしょう。いいです。それは・・・」
父さんはおもむろにクーラーボックスから何か取り出しました。
「・・・まさかそれを釣ってくるとね。」
「へっ?」
「父さんある意味すごいよ。尊敬しちゃう。」
父さんが釣ってきたもの・・・
それは長靴でした。