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第35回1000字小説バトル Entry10

おもい

記憶力は落ち、数ヶ月前までは覚えていた物事すべてが思い出せない。
今まで学んできたことによって飯を食おうとしていただけに絶望的に感じられる。
覚えなおせばすむことなのだろうがそれに向かう意欲がうせている。
自分にとってほかに飯を食えるに足るものが何かあるのだろうか。
体力は昔は多少あったが、今ではほとんどない。
知識もつぎからつぎへと忘れていっている。
小説家を目指そうかと思ったがアイデアのなさ、文体、語彙力のなさではこれでめしを食えるとも思えぬ。
ほかに何かあるのだろうか。
なにもない。
自問自答のたびに絶望的となる。
また絶望に向かってただ進むのかと思うとのどをかきむしり、呻かずにはいられない。
悪循環の連続。
それが続く。
毎日、毎日。
時がたてば何か変わるだろうとは思えない。
いつ訪れるか死について想像し、安らかな死でありたいと望みその日を夢に見る。
その日を希望の日とすら思えてくる。





だが、自分は少なくとも今いる場所に多大な負債を残してきている。
今まで食べた食べ物はどうであろうか。
また牛肉、鶏肉を食うたびにそれに対する消費、牛肉の場合は飼料が10キロぐらいであろうか。
鶏肉の場合は3キロほどであろうか。
生き物を食べるたびにその生産における飼料はいかほどのものであろうか。
また、親からもらったといえる幾多の教育費、養育費、こずかい、これらを合わせるとどれほど大きな負債なのだろうか。
親以外にも知人から受けたいろいろなものはいかほどのものであろうか。




いま、まさにその負債を完済すべく方法も見出せない自分にとってこれに輪をかけて華美な生活をとることはとてもできない。
少なくとも、これらの負債をせめて金銭面的、精神的に完済しなければ、、、、
そのためにも生きなければならぬ。
ここで死んでしまってはわたしはただの灰の塊となってしまう。
なにもできない、何も貢献しないただの灰の塊となってしまう。
そのためにも生きねばならぬのだ。

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