←前 次→

第35回1000字小説バトル Entry4

ある夏の日に私は…

「はい…もしもし。やま…」


早朝、電話のベルの音が部屋中に響く。


「もしもしぃ。アタシぃ…だから……ねぇ!」


受話器からもれる、キンキン高くて早口な声。女。


「……は?」

「そうなの!…っちゃたり…」

「………あの…」

「…でしょう?だから…ちゃんで…」

「………うん……」

「それでぇー……えーっ!ちがうよおー!」

「あ……そうなの?」

「だって…あはは!…うんうん…あははは!」

「……あはは」

「だからねぇ…うんうん…えぇーっ、うそおー!?」

「…えー…ほんとだよー…」


ガタゴトと声の後ろで物音。


「あ……こらっ!」


ブッ…………プーッ…プーッ…


突然切れる電話。



……そっか。子供の頃かけたイタズラ電話は、こんなふうに誰かにつながっていたんだ……

←前 次→

QBOOKS