第37回1000字小説バトル Entry8
ハンドルネーム雲
体重すっごく重い
身長すっごく低い
51才、タクシー運転手。
趣味 歴史小説を読む。絵画鑑賞。音楽鑑賞。
話題豊富です。
きっとあなたを退屈させません。
こんなおいらだけんど、誰かメル友になってくれろ。
ハーイ私は空よ。
よろしこ、ぴょん。
私は背が168。
体重53。
年は43ってことにしといて!
顔は米倉涼子と藤原紀香をたして2で割って、
三日夜干しして、ミルで砕いて、型押しして、
猛訓練したイルカに目鼻を描かした感じで〜す。
雲ちゃんのメル友になってあげてもいいよ〜ん。
空ちゃん、雲で〜す。
メールありがと。
嬉しかった!
すっごくチャーミングなんだね。
きゃぽ〜空ちゃんすてき。
もう雲は空ちゃんにめろめろで〜す。
うちの女房とは大違い。
うちの女房なんか、ぜんぜんいけてないダサイ女で、
雲はよんどころ無くなると、しょうがなくってやっちゃうけど
ぜんぜん良くない。
空ちゃんは、なんてすてきなんだろう!
空ちゃんだったら、もう天まで上れそう!
おれっち、めちゃがんばちゃうぜぇ〜!
もしかして、相性抜群かも?
うううっっっっっっもう我慢できない。
あいたいよぉ〜
あいたいよぉ〜
空ちゃん〜
わかったわ。
三日三晩考えたけど、あっちゃおう。
どうせ渋谷から帰るのにタクシー使わなきゃならないと
思っていたんだ。
明日の午前三時に八チ公の横の交番の前で、違法
駐車してまってて。
ホテルの叔母ちゃんは、ちんけなカップルを見て、即座に303
の鍵を渡した。
オーナーに言われていたのだ。
変なカップル、異様なカップル、特殊なカップルは3のつく部屋に
入れるようにと。
168で十三センチヒールを履いた空と運動靴で、背を五センチサバ読んでいた雲は、303の部屋になだれ込んだ。
病院の当直システムを取り入れたホテルオーナーの部屋で、
オーナーは腹を抱えて笑っていた。
「こりゃ、久しぶりのお笑いカップルじゃ」
帰りのタクシーの中で、雲はロマンチックな気分でいた。
僕たちは出会うべくして出会った。
「ねぇ、今度いつ会える?」
「え!いやだぁ〜これっきりよ。アホ!」
空は即座にタクシーから降ろされていた。
でも強運の彼女は3分もしないで自分の部屋に戻っていた。
三十畳のリビングを服を脱ぎながら歩く。
すでにたっぷりとお湯が張ってある大理石のバスタブに
入るべくパンティーを脱ぐ。
ラメ入りの真っ青のティーバックだった。
あら、やだ!
真っ青の空のパンティーに、白濁した雲の名残?