第4回チャンピオンofチャンピオン詩人バトル Entry7
じゃあ、詩について少し話してもいいかな
今
一番興味あることを聞きたい 、て云うから。
「俺についてじゃないのか」
ああ、これは失礼
次からは
あなたについて話すことにするよ
気が利かなくて
申し訳ないケド、今回は、好いかな。
本当はそんなこと口にするのはあんまり好きじゃないけど、
今日はそんな気分なんだ
元来、映画監督が出てくる映画だとか
詩人をモチーフにした詩だとか、
一部の例外をのぞいてはあんまり好きじゃなくって、
楽屋オチみたいでいたたまれなくて、酷く落ち込まされるのが厭でさ、
だから、
敢えてソレをやるのは、如何なモノか、て
ずっと思ってたから。
でもアンチテーゼとかイデオロギーとか云う程重くないやり方で、
その上、真っ黒い海に深く深く潜って往くみたく慎重で細やかなやり方で、
いつか話してみたいとは思ってて、
理由は不明だけど、今がその「いつか」なんじゃないか、
て、気がしてる。
「きみも、詩を描くことで、既成概念や意味をブチ壊したりしたい訳でショう」
うううン、全然。
わたし、概念とか意義とかが好きだから
壊す気は毛頭ない
パンクロッカーじゃないしね 。
わたしには別のやり方が向いてる、てとうに気付いているし、
むしろ無惨なまでに砕け散ったヤツをどうやって再構築してやろうか、
て思う毎にゾクゾクする。
音楽にとってのロックて概念があるじゃない。
あれはもう何かにつけ生き死にを語られる程、
単なる音楽としての一ジャンル、カテゴリを超えて、
既に、概念じゃない。
詩にとってロックに取って変わるような概念て、一体なんだろう
それを知りたいし、ないなら創ったらいいし、
カテゴライズしてしまえば好いだけだし、
それ以前にわたしの詩が、その概念自体になっちまえば好い、
なんて嘯いて徹夜明けの246を淡島通りを高速でトばすタクシー、
銀色にブルーな窓灯り、的このスピード感も概念
瓦礫めいた過去から現在に至るあらゆるモノ引きずり起こし積み重ね、
一見新しく見えるケド使い古しの手法にプラスアルファで、
やっぱりスッゲえ新しいや、
それも概念
概念を超えること自体
その実、
それも概念
そう、
概念。
都合の好いことも悪いことも簡単に忘れるクセがあるわたしは、
すぐに過去の事象を思い出せなくなるのだけど、
夕べ、Kタロウと改札口で軽く手を降って
心ン中で
「永遠に(うううン、嘘。ちょッとの間、)バイバーイ」
て云った後、
小田急線の準急電車が今まさに滑り込んでくる、
ホームで、
十代の自分が心酔してた概念を思い出したの
「意味を破壊することより 無意味を作ろう
ユートピアの定義かざし戦争でもしてろ」
なんて小林さんの言葉に文字通り夢中でした
でも、
わかったフリでその実なんもわからンかったです。
格好イイふうに思えて
上辺だけで、大好きだッたです
今でもこうやって口ン中でね、何度か声に出さず繰り返して呟いてみても、
十代のわたしを撃ちのめした小林さんの言葉は、
すごく格好好くって、やっぱり大好きで
でもようやく、彼が云ったことの意味が理解出来た今、
彼の言葉自体も決して無意味ではない事実を、
意味を破壊することにも無意味を創ることにも自ずと意味が付属してしまう
ダブルバインド的事実を通過してわたしは、
意味を創ることにしか、現在興味がないことが、
心底わかったよ。
「Do It(Or Die)!」だッてさ
そんなンどっちでも好い
わたしの詩で、あなたやわたしやそれ以外の誰かの感覚を再現する装置、
になりたいな
たったそれだけのための
一つのちっぽけな高精度高性能高速度なマシンになりたいな
それだけで好いンだ
そう、
あたかも、
わたしが大好きな映画や本や音楽に逢いに往くみたく
何度も繰り返して観たり読んだり聴いたり、
するのと同じみたく。
わたしの詩に
詩の中の
わたしに、
あなたに
私に
俺に
ぼくに
ワタクシに
Kタロウに
なぎこさんに
営業の佐藤に
糸杉文子さんに
yuuに
数字男に
Tさんに
旧姓 谷田さんに
コッカコオラの兄ちゃンに
伸太朗に
伸太朗を愛している僕に
伸太朗と僕に助けられた俺に
クライシェの星に
美香子さんに
春午子(はるこ)に
十六歳のわたしがうンと大好きだったヒトをきっと今、大好きでいるはずの、
女の子に、
それからそれ以外の、
実際には、はじめからいない人々に、
かつてはいたんだけど、もう二度と逢えない人々に、
何遍も
何遍も
何遍も
何遍も
何遍も
何遍も
みんなが逢いに来てくれたら
どんなにか素敵だろうな、
もっと
もっと
もっと
もっと
もっと
うんと
ずっと
なににもまして
そンなふうに素敵になりたいなあ
もう、
わたし、
それだけで
じゅうぶん
ッ。
嗚呼、本当に。
こんなにクッダラナい話に付き合ってくれて
どうもありがとう
イギーの歌声にも、
ミギーの殺傷能力にもはるかおよびもしないだろうケド
でも
あなたじゃないやも知れない誰かにとっては
ほんのわずか、
意義があるモノだったのではないだろうか
最後まで聴いてくれて
ありがとう
少し、なんて云って思いの外長くなっちゃって、
その上、全然、繊細でも慎重でもなくって、
ごめんね。
でもね、
これがわたしの、二○○四年七月の叙情詩です。
ねえ、
好きだよ。
何がって。何だろうね。
「俺のことか」て
ああ、あなたもだけど
うん、えと、
えと、ね
他ならぬ
詩がね、
好きだよ。