←前 次→

第11回詩人バトル Entry38

やみのなかにいたあめのはなし

 肩に感じられないほどの雨がゆっくりと降る日
 だんだんと迫り来る夜がよけいに雨を見えにくくして
 降っていないみたいだった
 音がする以外は
 暗い暗いやみよのなかで
 聞こえる音に耳を澄まし
 ひとりでいたあめのよるに
 ぽつんとなにもかんがえるのを
 放棄しながらすわりこんでいた
 目だけがじっと前をにらんでた
 心臓だけが
 放棄された記憶をあいしていた
 雨と重なって鳴り続ける音の中で
 きっときみはいきつづける 
 
 やみのなかのあめのはなし

←前 次→

QBOOKS