←前 次→

第12回詩人バトル Entry63

幼心

外を走る車の明かり
突然唸る冷蔵庫
窓にぶつかる風の音
発情した猫の鳴き声

怖くて
心細くて
大きな声を上げて
親の布団にもぐりこんだ

あれから幾年月
私はずっと
変わっていないと信じていた

でも 気が付いたんだ
家族が寝静まった後
真っ暗な家の中を
私は平気で歩いていた
何にも怖くなかった
ちっとも怖くなかった

こちらを照らす満月に
まともに顔を向けられず
光の外で少しだけ泣いた

←前 次→

QBOOKS