第15回詩人バトル Entry68
にごりのない 笑い声がひびく学校の庭
錆びたフェンスの外側に かすむ老女を見た
彼女はまるで 時間に置いていかれたように凍りついて
からまった髪
かかとのない靴
すり切れた袖
黒い爪
でも
眼差しだけは 雪を溶かす陽光のようにうるんでいた
半開きの口が その笑い声を吸いこんでいた
よどみのない 話し声が満ちる学校の庭
その外側には 汚れてしまった老女がいた
振り返ると
彼女の足下に
純白のモクレンが そっと舞い落ちた
。