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第14回中高生1000字小説バトル Entry3

ハカイヲトメルモノ外伝

例えばもし、私が死ねば、彼は悲しんでくれるのだろうか?
悲しんで欲しいと、私はその時思った。

神々の争い。
それは、ひどく非現実的で辻褄が合うといえば合うのだけれどそれでも、偶像としか思えない。
自らは神だと言った彼のことさえ、神だとは…本当は思ってはいない。
信じていいはずがない。信じてしまえば、たった1人の少女のために、私達は無駄に生きているようなものなのだから。
その少女の為に、私達の未来が閉ざされるのは、馬鹿馬鹿しすぎる。―――――小説でも、三流だ。

なぜ私が彼と出逢ってしまったかといえば、それは偶然かもしれないし、彼自身が望んだことかもしれない。
ただ、そんな出逢いが私を狂わせたかと思うと私は彼を恨む権利もあるのだろう。


それでも、私は彼の事が好きなのだ。無理矢理笑っているようにしか見えない顔で、相槌をうつ彼。本当に彼が神なら、なんて「らしく」ない神なのだろうと思う。威厳なんかありもしない。人間だったら、自分のやる事全てに自信が持てない、ただの情けない男でしかないのに―――。神という肩書きが「レンズ」を展開する。

彼は、嫌っている。関与する事もされる事も。誰も知らなければ別れなどないし、誰かといなければ寂しくなる事もないと。
――――それは、私の考えとよく似ていた。だからこそ、私は彼の傍にいたかったのだろう。
だけど、私は聞いてしまったのだ。この世界の宇宙の存在を。何のために人が悩み苦しみ生きているのかを、彼は私に……話してしまった。
聞かないほうが良かった。でも、聞いてよかったとも思う。あの話を聞く事で神の痛みが分かったから。

彼の口から真実を聞いた次の日、私は屋上に来ていた。1人暮ししているマンションの屋上。
今日は、風が少ない。

    生きようと思ったのに。

                   もう大丈夫だと、思ったのに――――。私は何故か……ここにいる。



彼は、どうなったのだろう。
それは、私には知ることが出来ない、気になること。
最後に見せた顔が泣き顔なのは、少し気を悪くさせたかもしれない。



少女は、真実を知り悲観した。
少女は、神の全てを手にしたのだった。
そうして事態は加速していく、破滅へとたどる最後の砦へと―――。

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